2006-05-01 [長年日記]
_ [Gadget] 万年筆が欲しい
去年学会で大阪に行ったとき、帰りの車中で何か軽く読むものが欲しくてという雑誌を買った。
普段、この手のオヤジ系物欲煽り雑誌は死んでも買わないのだが、私が買った号だけはおまけとして黄色い小さな万年筆「」がついとりましてね。かわいいので何となくふらふらと買ってしまったのですよ。
それっきりペン立てに突っ込んで忘れていたのだが、最近ようやくインクカートリッジを入れて使い始めた。これが雑誌込みで980円の割になかなか良い案配なのだ。RHODIA No.19にアイデアメモを万年筆で思いつくままさらさらと書いていくのは、キーボードでバチバチと打ち込んでいくのとはまた違った気持ち良さがあることを知った。
今のところド素人なので、おそらく玄人にはキリと評されるであろうこの「ミニ檸檬」程度でも大して不自由していないのだが、なんでも聞くところによれば万年筆はピンに行けばもう想像を絶する書き味なんだそうで、にわかに関心が湧いてきた。4-5万円くらいでそこそこ良いのが買えないかなあ。
2006-05-03 [長年日記]
_ [OpenSource] LC2006 ライトニング・トーク 発表者募集
ここで告知しても誰も見ないだろうなあという気分が横溢している今日この頃ですが、今年のの司会はなぜか私がやることになりました。5分経ってもしゃべり続けようと演台にしがみつく剛の者を蹴り落とすのが主な任務らしいです。日時は6/2(金)の15時から1時間、応募の〆切は5/22となっております。ネタに縛りはありません。
そもそもLCなんてまだあったんかいとか平日の午後なんかに有明くんだりまで行けるかボケとか皆さまの温かい励ましの声がもう耳元まで聞こえておりますが、なにせ5分持てばいいので意欲ある若人の挑戦求む。
2006-05-05 [長年日記]
_ mazurkja [description fZOurBDyB3pC http://tinyurl.co.uk/foks]
2006-05-06 [長年日記]
2006-05-07 [長年日記]
_ [Food]
ちょっと前に池袋駅の構内、丸ノ内線改札/コインロッカーの近くの立ち食い蕎麦屋の裏に出来てずっと気にはなっていたのだが、昨日になってなんとなく小腹が空いたので買ってしまった。130gで530円。確かに食い易くて旨いが、やや高いか。まあでも焼き栗ってこんなものかな。
_ [Life] sugiメソッド改
TODO管理は昔から頭痛の種だったのだが、最近に面白いやり方が載っているのを見つけたので、ちょっと真似てみた。オリジンはらしい。
現在のTODOがばれると恥ずかしいのでかなり画質は落としてあるが、見てくれは大体写真のような感じ。
大きめの紙を三分割し、左から「完了」エリア、「今やってる」エリア、「残」エリアとする。あとはやるべきことを片っ端から書き出し、ポストイットに書いて「残」に貼るだけ。書き出すにあたってはできるだけTODOの粒度を細かくし、具体的な行動にまで落とし込んでおくのがコツ。
オリジナルと若干違うのは、2色のポストイットを使っていることだ。橙色の付箋は、そんなに時間がかからなさそうなもの、どちらかと言えばやるのが苦痛でないものを意味している。逆に緑の付箋は、時間がかかりそうなもの、手間暇がかかりそうなもの、とにかく何となく気が進まないものという意味。台紙の上にいけば行くほど緊急性が高い。てっぺん==ものすごく緊急、真ん中==そこそこ緊急(あるいは期限がある)、下==ほとんどどうでもいい、と大まかにグループ分けしておけば良いだろう。ようするに、上下の軸で時間的優先度、色の軸で当人にとっての気分的レーティングを表しているということになる。
あとは、
- 「残」の上のほうにあって橙色な奴はとっとと手をつけてやる。
- 少しだけ時間が空いたら「今やってる」の上のほうにある橙色TODOを片づける。
- 多少まとまった時間があれば、緑の奴にも上から順に手をつける。
- 手を付けたが途中なものは「今やってる」に移す(やっている最中のものはモニタの脇にでも貼っておくと良い)。この時点で期限があるものはそれを書き込んでおく。自分はもうやることがなくて相手の返事待ち、というようなケースの場合には、一番下に貼っておく。
- 終わったら「完了」へ。
というルーチンを繰り返せばよいわけだ。
ところで、ずっと「残」や「今やってる」の下のほうに居座っている緑のTODOは、当人的にせっぱ詰まっておらず、しかも当人はやりたくないことである。そのまま残していてもどうせやりはしないし、やりたくないことはどうせやったところでうまくいかない(開き直り)。よって、適当な時点で本当にそれを自分がやるべきなのか少し考えてみて、基本的には放棄してしまうのが良いのではないか。
少なくともここ数日はこれで案配良く回ったのだが、もちろん問題点はある。GW中は基本的に家にいたから良かったが、tach先生もすでに指摘しているように、家とオフィスや研究室を行ったり来たりするようになるとこれではだめだ。
となると、例えばラップトップならWindowsなりGNOME/KDEなりに星の数ほどある付箋ユーティリティを使ってroot windowに置くとか、あるいはでも使ってインターネット上に置こうかという気分にもなってくるのだが、個人的には「ポストイットに書いて貼る」という行為そのものにどうも意味があるような気がする(なんか楽しいし)。しょうがないので、しばらくは場所的制約には目をつぶり、このまま紙ベースでやってみるつもりだ。
2006-05-10 [長年日記]
_ [Food] @池袋
パキスタン料理屋。たまたま昼空いていたので足を伸ばしてみた。行くのはものすごく久しぶり。場所は下図の通り。さっそくALPSLAB clip!を使ってみました。
しかし、なんのかんのでもう10回くらいは行っているはずなのだが、何度行っても一発で辿り着けない。劇場通りから見れば池袋駅寄り、やたら派手な外装のなんとか言うラブホの近くなのだが、というか道順としては北口を出て、正面のホテルサンシティの左脇の道をずっと歩いていくだけなのでよほどの馬鹿でなければすぐ覚えそうなものだが、そんなに頻繁に行くわけでもなし、一度行って次行くころにはおおまかな位置以外すっかり忘れてしまうのである。近所にはもある。
ついでに言えば、今日も含め何度行っても客はパキスタンだかインドだかバングラデシュだかからおいでの方しかいない。そもそもランチタイムだと言うのにあまり客がいない。というか根本的に食い物屋をやるような立地ではない。なのに潰れないのが不思議だが、どうもここはレストラン専業ではなくどこか他で食材屋もやっているらしいので、あまり儲からなくもいいのかもしれん。
私はここでは基本的にマトンしか食べない。というか他のものは食べたことがない。量はべらぼうに多いが実にうまいです。なお宗教上の理由でアルコール類は一切出さないらしいので注意。
パキスタンレストラン マルハバ
〒171-0014 東京都豊島区池袋2-63-6 パレスガーデンミラノ 1F
Tel. 03-3987-1031
年中無休
平日土曜日 11:00AM - 15:00PM (ランチ) 5:00PM-10:30PM (ディナー)
日曜祝日 11:30AM - 9:00PM
2006-05-14 [長年日記]
_ [Music] Live at the Jazz Showcase in Chicago / Hampton Hawes
シカゴのクラブ「ジャズ・ショーケース」(1947年開店で未だ健在)における1973年のライヴ。Vol.1と2の2枚が出ている。どうやら元々は正規録音ではないらしく(サウンドボード音源か?)、若干音が痩せていたり割れていたりするのが残念だが、演奏内容そのものはサイドメンの良さも手伝ってハンプトン・ホーズ晩年の傑作と言ってよい出来になっている。少し大きめの音量で聞くとなお良い。後半で三者が突然もの凄い盛り上がりを見せるVol.1のSpanish Moods、シンプルなブルーズにもかかわらず26分以上も弾きまくって飽きさせないVol.2のBlue Bird〜Blue Hampあたりがとりあえずの聞きどころか。ホーズのヴォーカルは止めておいたほうが良かったと思うが…。
ライナーノーツもなかなか興味深い。Vol.1にはプロデューサーのホルスト・ウェーバーが行ったホーズのの結果が収録されているのだが、ミンガスがピアノを弾いたOh Yeah(Charles Mingus)を聞かされて、明らかに誰か分かっているのに「このピアニストは嫌いだ」とか言っている。昔Mingus Three(Charles Mingus)で共演したときにイヤなことでもあったんですかね。アイラーが嫌いというのも意外と言えば意外だった。Vol.2にはやはりウェーバーのホーズに関する思い出話が載っているが、ホーズは元々6本指だった(生まれてからすぐ手術で除去したらしい)というのが驚き。そういう奇形があるのかどうかよく知らないが、もしそのまま12本残っていたらどういうことになっていたんでしょうね。ホーズの死を知らされて、ちょうどウェーバーの元でレコーディングしていた山下洋輔がしたことというのもなかなか心温まるエピソードだ。
_ [Reading] 大山康晴の晩節 / 河口俊彦
昨今のを巡る騒動は、コアでディープな将棋ファンにとっては不愉快なこと甚だしい話ばかりだろう。しかし、私のように将棋に関心を失って久しい人間にとっては、もう一度将棋というものの存在を思い出させてくれたという点でそれなりに意味のある出来事だった。
この本も評判が高いということは知っていたのだが、の事績について大体のことはすでに知っていたし、特に興味も湧かなかった。最近の騒動で多少将棋に関心が戻ってきたのと、文庫になったのとで、ようやく読んでみたという程度である。しかし、読んでみれば実際これは世評通りの優れた評伝であり、大山康晴という不世出の棋士を描くものとしてこれ以上のものがあり得るとは思えない。将棋のルール程度は知っていたほうがより楽しめるだろうが、全く知識が無くても十分に読めると思う。
おそらくこの本のポイントは、大山という人間の描き方だ。人間的にはかように最悪だった、でも将棋はこのように強かった、とあっさり両面を分けてまとめてしまうのはありがちだが、それではつまらない。大山の酷薄で非情な一面、天才ばかりとされる将棋界において、吾人の他に人無しと確信する傲慢さが、いかに彼の強さ、とりわけその図抜けた耐久力に結びついていたかを明らかにしたところに、この本の価値はある。思えば、功罪がはっきり分けられる人間に魅力的な者はいない。功罪が一如となっているからこそ、ある種の深みと力強さが出てくるのだろう。
優れた人物伝を書くには対象を愛すると同時に冷酷に突き放すことが必要なのだが、河口はそれに見事に成功している。小林信彦が渥美清を描いたおかしな男 渥美清 (新潮文庫)(小林 信彦)や、横山やすしを取り上げた天才伝説 横山やすし (文春文庫)(小林 信彦)に匹敵する仕事だと思う。文庫版あとがきによれば升田幸三や塚田正夫、芹沢博文といった面々の評伝も構想しているらしいので、次にも期待したい。
2006-05-15 [長年日記]
_ [Music] The Rolling Stones Project / Tim Ries
ロックの曲をジャズがカバー、という企画は佃煮にするほどあって、その大半が安易なゴミクズなのだが、これはちょっと格が違った。恐れ入りました。
ストーンズのツアー・サポートもやっているサックス奏者のティム・リーズが、実にいろんな人に声をかけて実現させた企画のようだが、曲が良いのは言うまでもなく、人選といいアレンジといい、演奏そのものといい、非の打ち所がない。なにせジョン・スコフィールドがいる、先日の東京公演も素晴らしかったビル・フリーゼルやブライアン・ブレイドがいる、でおまけにヴォーカル陣にはシェリル・クロウ、ルチアーナ・ソウザ、そしてノラ・ジョーンズまで揃えている。ラリー・ゴールディングズがバリバリとオルガンを弾く背後で、お世辞にもうまいとは言えないが往年のブルーノートのオルガンものに入っていたようなドラマー風のいなたいノリを出しているのはチャーリー・ワッツ本人だ。最近重傷を負った(らしい)キースも2曲で実に当人らしいギターを弾いている。ぜいたくの極み。
なお、日本盤だけAs Tears Go Byが入っていて、しかもそれがまたなかなかの出来。でもベスト・トラックはノラ・ジョーンズが歌うWild Horsesだと思う。これはおすすめ。
2006-05-22 [長年日記]
_ [Music] Lofty's Roach Soufele / Harry Connick, Jr. Trio
最近あまり話題に上らないハリー・コニックJr.だが、世間的には歌手ないし俳優というイメージが強いと思う。しかしこのアルバムはオーソドックスなピアノ・トリオもので、珍しくピアノ一本に専念した(弾き語りすら無い)一枚。帰りがけに寄った某中古CD屋で980円とかで投げ売りされていたので思わず買ってしまったのだが、まあ、冷静に聞けば余芸の域を出ていないと言えなくもないものの、程良くくつろいで味のあるなかなかの好演だと思う。モンク風のスタイルを強く打ち出しているが、自分の懐にうまく取り込んでいるのでコピーキャットという感じはあまりしない。思わぬ拾い物だった。なお「ロフティーのごきぶりスフレ」という妙なタイトルの由来については、買ってライナーを読んでください。
2006-05-26 [長年日記]
_ [Music] What's Goin' On / Frank Strozier
去年の春だったかにCD化されたルイ・ヘイズのヴァラエティー・イズ・ザ・スパイス(ルイス・ヘイズ・グループ)はクラブ・シーンで大人気(?)なんだそうだ。橋本徹に至っては「21世紀のマスターピース」とか呼んでいるらしい。あれはあれで悪くない作品なので別に良いんだけど、私はレオン・トーマスのヴォーカルが苦手でしばらく聞いていると体がかゆくなってくるので、どうせ聞くならフランク・ストロジャー名義のこちらを選ぶ。ほぼ同じメンバ(ただしトーマスとパーカッション抜き)で同じような曲をやっているのだが、気合の入り具合はどう考えてもこちらのほうが上だと思う。マーヴィン・ゲイのタイトル曲で全員、特にメイバーンがぐわーっと盛り上がるあたりは何度聞いてもかっこよい。なお2曲目は曲名忘れたけどリー・モーガンがLive at the Lighthouse(Lee Morgan)で演っていた曲ですね。これもまたストレート・アヘッドという形容がピタリ当てはまる快演。
ちなみに、Amazonの曲目紹介では5曲入りとなっているようだが、実は全曲に別テイクがあるので本当は全部で10曲である。内容は良いのだが、リーダーが地味で、ジャケットが地味で、しかもレーベルが地味だったのが不運でしたね。
Before...
_ mhatta [どうやらアンテナからのアクセスが軒並みカウントされなくなったみたいですね。ちょっと寂しい。]
_ イシイ [どうも久々です。イシイです。 最近自分も万年筆を買ったです。 アウロラのアスティル(No.032) ttp://ww..]
_ mhatta [そうですねえ、デザイン重視ならモンテグラッパのミクラとかが好みなのですが、やはり万年筆は本質的には実用品だと思うので..]