2015|08|
2006-05-15 [長年日記]
_ [Music] The Rolling Stones Project / Tim Ries
ロックの曲をジャズがカバー、という企画は佃煮にするほどあって、その大半が安易なゴミクズなのだが、これはちょっと格が違った。恐れ入りました。
ストーンズのツアー・サポートもやっているサックス奏者のティム・リーズが、実にいろんな人に声をかけて実現させた企画のようだが、曲が良いのは言うまでもなく、人選といいアレンジといい、演奏そのものといい、非の打ち所がない。なにせジョン・スコフィールドがいる、先日の東京公演も素晴らしかったビル・フリーゼルやブライアン・ブレイドがいる、でおまけにヴォーカル陣にはシェリル・クロウ、ルチアーナ・ソウザ、そしてノラ・ジョーンズまで揃えている。ラリー・ゴールディングズがバリバリとオルガンを弾く背後で、お世辞にもうまいとは言えないが往年のブルーノートのオルガンものに入っていたようなドラマー風のいなたいノリを出しているのはチャーリー・ワッツ本人だ。最近重傷を負った(らしい)キースも2曲で実に当人らしいギターを弾いている。ぜいたくの極み。
なお、日本盤だけAs Tears Go Byが入っていて、しかもそれがまたなかなかの出来。でもベスト・トラックはノラ・ジョーンズが歌うWild Horsesだと思う。これはおすすめ。