2004-09-01 [長年日記]
_ [Music] Thundering Herd / Woody Herman
1940年代からビッグバンドを率いたあのウッディー・ハーマンが、こともあろうにフランク・ザッパのあの曲をやっているという、もうそれだけで購入に値する一枚。しかも超かっこいい。このかっこよさは何? 途中のエレピとフリューゲルホーンの絡みにしびれる。4ビートだけどまるでプログレ。
他にも、コルトレーンのLazy Bird (トレーンのソロをそのままサックスソリにしていてやばい)とか、キャロル・キングとか、なんとも呆れた選曲で、しかもそれらが全てはまりにはまっているので卒倒する。熱烈推薦。
_ [Food] モス マスタードチキンバーガー
モスバーガーの新作(というかリバイバル)だそうで、それはまあいいんだが、代わりにホットチキンバーガーがなくなってしまったようだ。あれ好きだったのになあ。残念。これでスパイシーチリドッグも無くなったりするとちょっと困る。
_ [Food] サイゼリヤ進出など
そういえば、駅前にサイゼリヤとココイチが出来ていた。いよいよ大泉学園もしょっぱいベッドタウンにふさわしい風格が増してまいりました。23時で早々と閉まってしまうあたりが、これまたいかにも使えないという感じである。せめて終電+1h(ようするにAM2時とか)くらいまで開いているとありがたいんですが。
ところで、噂では今ヤマダ電機があるあたりに、光が丘から延伸してくる大江戸線の駅ができるらしい(まあ実現するころには俺はもう死んでいるかもしれない)のだが、その新駅の名前の案が新大泉学園なんだそうで、いかにも情けないことである。そもそも一橋大の誘致に失敗して国立へ逃げられてからもうずいぶん経つのだから、いい加減「学園」ははずしたらどうか。
2004-09-02 [長年日記]
_ [Music] Windy City Boogie / J.T. Brown
エルモア・ジェイムズやJ.B.レノアといったシカゴの実力者のバックで、とにかく気合のこもった(というか気合しかない)サックスを吹いていたのがこのJ.T. ブラウンだ。ジャズやジャイヴ方面から流れて来た人ではなく、生粋のブルーズ・スペシャリスト(というと聞こえはいいがようするにブルーズしか吹けない)なのであまり日本では注目されないようだが、立派なホンカーの一人である。
私はサックス吹けないのであまりよく分からないが、この人は楽器の扱い、演奏技術という意味でのテクニックはあまり無かったのではないかと思う。豪快と言えば豪快だが、音色もフレージングも単調だし、良く聞くとそれほど楽器を鳴らし切っているわけではない。独特の音色と言えば聞こえはいいが、不安定な音程に加え妙なところで妙なビブラートがかかる吹奏は、「The Nanny Goat Horn」と揶揄されることもあったようだ。雌ヤギのメェーメェーという鳴き声に聞こえるというわけだが、実際そう聞こえるので仕方がない。歌も歌うが、だからなんだという程度のものである。ようするに、西洋音楽的な洗練というようなものからは全く遠い人なのだが、しかしこの人ならではという個性というか、「味」がある。
このCDには、J.T.が1950年代初頭の絶頂期に遺したリーダー録音の大半が集められていて、サイドマンもブルーズで煮染めたようなメンツが揃っている。レパートリーも、大同小異のブルーズがひたすら続く。まるで金太郎飴のようだが、そこがいいのだ。白眉はやはりタイトル曲か。
どうでもいいが、パーソネルに「Roosevelt Sykes, encouragement & zest」と書いてあって、いったいルーズベルト・サイクスは何をやっているんだろうと思ったら、本当にバックで合の手を入れて「激励」(歌っているわけではない)しているのだった。何の意味があるんだ‥。
2004-09-03 [長年日記]
_ [Debian] Debian Lessons
Debian公式開発者の一人、liwことLars Wirzeniusが書いているメモ。Debian Projectが経験した様々な問題を踏まえ、プロジェクト・マネージメントの勘所をまとめたものだが、大部分はDebianがどうこうというより、およそオープンソースによるバザール開発をうまく進めたいならばこの種のポイントに気を配らざるを得ないというような話なので、あまりDebianに関係ない人が読んでも面白いのではないか。
ちなみに、旧版は内容的にあまりぱっとしなかった(2000年当時はまだのどかな時代でしたからなあ)のだが、今彼が準備している新版は、いろいろあったここ4年間の経験も取り込んでいるので、個人的にもなかなかよくまとまっていると思う。この議論の背景にあるのはあの出来事だな‥とか、具体的な騒動を思い浮かべるとニヤニヤしてしまう。UnixUserの「でびあん通信」を読んでいるケッタイな方ならある程度分かるかも。
2004-09-04 [長年日記]
_ [Bicycle] ブリヂストンモールトンが欲しい
私の愛車轟天号は叔父貴の遺品のナイスな自転車(ロードレーサー)ではあるが、最近忙しくてメンテをさぼっていたため大分ガタがきている。気合い入れてオーバーホールすればいいのだが、ここのところ人生ろくなことがないのでせめて自転車くらいは心機一転蒔き直しを図りたい。
そこで、ブリヂストンモールトンの購入を検討中である。大体においてモールトンは自転車のくせにクソ高いのだが、私の親父はブリヂストン勤務なので多少なりとも社員割引が効くのではないかという姑息な計算がある。グラッシーグリーン最高。
主な用途は、ようするにチャリ通(家から本郷だからまあ30km/dayくらい)なのだが、どんなもんだろう。試乗してみたいものだ。
2004-09-05 [長年日記]
_ [Food] ピッチーファー 2th
タイ料理の名店。たぶん初めて行ったのだが、何を頼んでもうまい。特に空心菜のサラダが良かった。おまけに、さんざん飲み喰いして一人4000円強。安い。
しかし、それにしても、なぜ2ndではなく2thなのか。
ピッチーファー 2th
〒160-0023 新宿区西新宿1-4-5 明広ビル5F
Tel 03-5326-8588 FAX 03-5326-8571
11:00-15:00 (ランチタイム)
17:00-23:00 (ディナータイム)
年中無休
_ [Music] Bebop / Bud Powell
最近Concordに買収されたFantasyが、ここ数年バド・パウエルのMythic Sound音源をぼちぼちと再発している。これはそのうちの一枚。
「Mythic Sound」というのは、Black Saintレーベルの創始者でもあるジャコモ・バッティステラが運営していたイタリアのレーベルで、1980年代から90年代初頭にかけ、晩年のパウエルの後援者フランシス・ポードラが秘蔵していたプライベート録音をリリースしていた。バラでも出ていた(今でも中古屋でたまに見かける)のだが、それらを集大成したのが「Earl Bud Powell Pure Genius Always」というボックスセットである。私が持っているのは1990年にミュージック東京という会社が300セット限定で出した日本盤(CD10枚組)なのだが、どうやら11枚めが存在するらしい(Gift for the Friends, 60-64 / Earl Bud Powell, Vol. 11)。とはいえ、日本屈指のパウエル・フリークのはずの後藤雅洋さんすらその存在はご存じなかったので、出る前にMythic Soundが潰れたという可能性もある。このあたり、よく分からないのでVol.11を持っている方は教えてやってください。
その後1997年にポードラは自邸で首吊り自殺し、また上で触れたようにMythic Soundも活動を停止してしまったので、こういった音源はしばらくの間入手困難だったのだが、マスターテープ自体は死ぬ前にポードラがパウエルの娘のセリアに渡していたらしい。そこで、今回はFantasyがセリアから直接許可をもらって再発にこぎつけたということのようだ。ただし、オリジナルの10枚(ないし11枚)という構成は踏襲せず、内容の良いものだけを選り抜いて出すという方針らしい。しかし、そもそもこんなものを買うのは相当なパウエル・マニアなだけだろうし、マニアというのは大体において「コンプリート」に拘るものなので、これが賢い判断なのかどうかはよくわからない。個人的には、バラで出すのは構わないが、きちんとクロノジカルな形でまとめなおしてボックスセットでも再発して欲しいのだが。
閑話休題、このCDには1948年のロイヤル・ルーストでの放送録音と1964年のフランス・エデンヴィルでのライヴを中心として、パリでのライヴ録音が数曲収録されている。音質は大して改善されていない(変なノイズ・リダクションをかけたのか、前よりもシンバルの高音などがキンキン言うような気がするが気のせいか?)が、そもそもこの手のもので音質を云々言ってもしかたがない。
目玉としてはHot Houseの完全バージョンということになるか。確かにこれまでリリースされていたものよりも数分長い。Mythic SoundのHolidays in Edenville, 64 / Earl Bud Powell, Vol.8に収録されたバージョンと比較すると、パウエルとジョニー・グリフィンらとの会話が省かれた代わりに、以前はフェイドアウトで終わっていたその先が復元されたようだ。Salt Peanutsのイントロ最初の数小節が復元されているのも個人的にはありがたい。1948年のセッションに関しては、リー・コニッツとの唯一の共演が聞けるというのが興味深いと思う。見事なまでに水と油ですけど。
2004-09-06 [長年日記]
_ [Life] 自転車通学決行
久しぶりに自転車で大学まで行く。疲れました。片道19kmなのだが、信号待ちや歩道橋などのトラップで時間を食われ、結局1h20mくらいかかった。明日はどうすべえか。
最近歳のせいか、筋肉痛が翌日ではなく2日後くらいに襲って来るのが情けないところである。
_ [Food] ニッポンのバーガー 匠味 アボガド山葵
帰る途中、新目白通り沿いにモスバーガー 西早稲田店があったのだが、ここは例の緑モスというのに改装されていて、匠味を扱っていた。店員に聞いて見るとまだあるというので(一日15個限定らしい)、注文してみる。10分ほど待たされた。ハンバーガーだけでおなかいっぱいになるような途方もないサイズにまず呆れる。これでセットとか頼む奴は人生の負け組だと思います。
ハンバーガーとしては、まあ値段相応というか、普通に美味しい。アボガドが乗っているからといって別にとやかく言うほどのことでもない。しかし、驚かされたのはすりおろしの山葵で、これは素晴らしい。よくあるチューブ入りの練り山葵のようにただツンと辛いというわけではなく、むしろ甘味すら感じるような複雑な味わいで、これだけでも食べてみる価値はあると思う。
2004-09-07 [長年日記]
_ [Music] Criss-Cross / Thelonious Monk
朝っぱらからセロニアス・モンクというのもなんだが、CBS時代の作品はどれも明るくハッピーなので、一日の始まりにふさわしいと言えなくもない。これもその一枚で、陽気な曲の陽気な演奏ばかりが収録されており、極めて明快だ。モンク入門にも適しているのではないかと思う。最近になって未発表曲を3曲追加し、24ビットリマスターされたものが再発された。
_ [Gadget] AssistOn / アシストオン
mrmtさんに教えていただいた。物欲を刺激するガジェットでいっぱい。
2004-09-09 [長年日記]
_ [Reading] インディヴィジュアル・プロジェクション / 阿部和重
最近では夜中と言えば、風呂に浸かりながらブックオフで棚単位で仕入れた105円のゾッキ本(当然この本もその一冊)を読みふけっている始末なので、そろそろjlcだのMy Humanうんたらだのといったダサい名前はやめて人民の友にでも改名しようかと思っているのだが、それにしてもここまで徹底的に読みものとして面白い小説は久しぶりに読んだ。面白くてかつ深読みを許すだけの内実もある。
きちんとあらすじを書いてしまうと面白くもなんともなくなるし、かといっていい加減に書いてもやはり興を削がれるはずなのでこれ以上何も書かないが、まあ最後まで読んでみればよい。しかし、あまり話の本筋ではないとはいえ、ジンザブローにタカツグにニッショウか。普通思いつかねえよなあ。1932年の5月15日はたしかに日曜日だし。
2004-09-10 [長年日記]
_ [Reading] ボブ・ディランの自伝が出るらしい
たまたま気づいたのだが、10月にボブ・ディランの自伝が出るようだ。数年前から、出る出るという話だけは出ては消えしていたのだが、今回は本当みたい。これまであのおじさんはキャリアに関して(半ば確信犯的に)嘘ばっかりついてきたので、どういう中身になるか興味深い。
今度出るのは第一巻でまだ続きがあるらしいので、邦訳は出るとしてもずいぶん先のことになりそうだ。中山康樹さんあたりがやるのかな。
_ [Music] About Time / Steve Winwood
これはとても良いアルバムなのだが、ぱっと聴きには多少地味なので、何度か聴かないと本当の良さは実感できないかもしれない。スルメのようなものです。その代わり、いったん味を占めてしまうとなかなか飽きが来ない。
基本はウィンウッドに加えギターとドラムスだけ(曲によってカール・デンソンらがゲストで入る)というシンプルな編成で、結果として久しぶりに御大のオルガンがたっぷり聞ける(珍しくベースも足でやっている)のが何よりもうれしい。ティミー・トーマスのWhy Can't We Live Together (最近だとジョーン・オズボーンとか、一昔前ならシャーデーもカバーしていた)が泣ける。ちなみに私は持っていないのだが、どうもThe Expanded Editionというのがオフィシャル・サイトで売られているようで、これには同曲のライヴ・バージョンがボーナスとして入っているらしい。欲しいよう。
この日記を読んでいるような人には関心がありそうな話題をひとつだけ付け加えておくと、P2Pを使って宣伝したらこのアルバムの売り上げが最大8倍にも伸びたという話があった。ウィンウッド・クラスの大御所でも最近ではあっさりメジャー・レーベルに切られる(あるいはまともなプロモーションがしてもらえない)ようで、このアルバムも元は自分が興したインディー・レーベルから出したのだが、先に述べたようにこの種の音楽は、性質上とりあえず聞いてもらえないと良さも分かってもらえないという部分がある。それが、P2Pを使った伝播でうまく補われたということなのかもしれない。どうせめちゃくちゃ大ヒットするような類の音楽ではないし。
2004-09-12 [長年日記]
_ [Debian] 京ぽんをDebianから使う
こうなると当然AH-K3001Vを使ってDebian GNU/LinuxからPPP接続したくなるわけだが、sid (Linuxは2.4.27)であってもただUSBに差しただけではうまく認識してくれない。Googleで調べてみると、すでに先人の努力でノウハウの蓄積があるようだ(京ぽん Wikiが参考になる)。PPPを使わなくなってからもう数年経っていて、やり方をすっかり忘れていたのでいくつかメモ。
- Linuxカーネルソースのacmドライバモジュール (/usr/src/kernel-source-2.4.27/drivers/usb/acm.c)にちょっとしたパッチを当ててカーネルを再構築し、リブートする必要がある。パッチはこれ。
- カーネルに、PPP関係やUSBモデム関係を組み込むなりモジュールになりしておくことも忘れずに。基本的には全部MでOK。
- hotplug がインストールされていれば、後は普通に認識される。
- PPPの設定自体はpppconfigでやるとよい。sidの2.3.6ならばメッセージも日本語化されている。プロバイダとしては私はPRINを使っているが、認証はPAP、DNSはdynamicでOK。
- /etc/ppp/optionsで「lcp-echo-failure 4」というのをコメントアウトすること。そうしないと、しばらく経つと通信が切れてしまう。
- DevFSを使っている場合、モデムCOMポートは/dev/usb/acm/0になる。pppconfigではうまく設定できないかもしれないが、その場合は手で/etc/ppp/peers以下のファイル(典型的には/etc/ppp/peers/provider)をいじる。
新データ圧縮機能の試験モニター募集に申し込んでみた。かなり通信速度が改善される。これくらいなら常用しても我慢の範囲内。
2004-09-14 [長年日記]
_ [Music] 結婚式・披露宴のBGM
友人から「ロマンチックなBGM」を選べという指令が来たのだが、ロマンチックな曲というのは当方のもっとも苦手とするところであって、どうしたものか途方に暮れる。
この日記の参照元などを見ると、結構「披露宴 BGM」とかで検索してくる人がいるようで、ああみんな苦労しているんだなと思いました。
_ [Music] The Loop & New And Groovy / Johnny Lytle
ロマンチックな曲を探すはずが、なぜかこんなものを聴いている。
むかしむかし、「渋谷系」の音楽というのが大変流行ったと噂に聞くが、私は渋谷系全盛期(90年代初頭)をリアルタイムで経験するにはちと若すぎたので、その実態はよく知るところではない。
で、このアルバムはその渋谷系の聖典の一つだったそうだが、本当にそうだったのかどうかも定かではない。とはいえ、今や劇団ひとりならぬひとりオリジナルラヴとなってしまった田島貴男が1991年のシングルMillion Secrets Of Jazzでメロディーをそのまま拝借していたのは、このアルバム(2LP in 1CDです)の後半New And Groovyに収録されたSelimという曲からだったりするので、それなりに知名度はあったのではないかと思われる。オリジナル盤はTubaというデトロイトのレーベルから、The Loopが1965年、New And Groovyが1966年に出たのだが、ここはリヴァーサイド・レーベルが潰れて失業したオリン・キープニューズが、マイルストーン・レーベルに行く前にプロデューサとなってジュニア・マンスのアルバムか何かを出していたところである。物凄くローカルでマイナーでレアなところだったはずなので、よくこんなものを見付けだしてきたなあという感じですね。今はCDで簡単に手に入ります。
中身はというと、どの曲も耳に残るキャッチーなメロディにほどよいアレンジが施されていて、聴いて楽しい悦楽度満点の一枚である。ジョニー・ライトルはライオネル・ハンプトン流にひたすら叩きまくるタイプのヴァイヴ奏者だが、この作品ではマリンバも併用していてこれが良いアクセントとなっている。捨て曲が全く無いあたりも素晴らしい。全体的に清涼感と気怠さに満ちていて(ちゃっちぃ音色のオルガンがまたそそる)、亜熱帯の午後というか、いかにも良い湯加減なのだ。個人的には前半The Loop相当分のほうが音楽の彫りが深いような気がするが、後半も冒頭を飾る退廃的なThe Snapperがよいし、なんといってもキラー・チューンのSelimが入っている。
さて、上記のような書き方をするとジャズ原理主義者はすでに聞く気も関心も失っているのではないかと思うが、CDにはどこにも書いていないとはいえ、一貫してピアノを弾いているのは実は晩年のウィントン・ケリーである。何度も出てくるMillion Secrets Of Jazzの元ネタSelimで、超かっこいいソロを取っているのも彼です。ちょうどHalf Note Cafeでウェス・モンゴメリーとライヴ盤を作った直後の録音にあたるが、深酒のせいで急速に運指が衰える直前の、人生最後の照り返しといった感じ、マイルズ・バンドをクビになった後ではベストといっても良いプレイを披露している。すでにポール・チェンバースは結核で体調を崩してレギュラーから抜けており、ベースは両方とも違う人なのだが、後半のドラムスはジミー・コブだったりもする。そしてもちろん、Selimはあの人の名前を逆に綴っただけですね。まあ、曲自体がMilestonesのパクりなのだが。
2004-09-15 [長年日記]
_ [Life] 京ぽん雑感
数日使ってみて思うこと。
- 素直な作り、という感じがした。具体的にどこがというのはうまく言えないんですが、全体的な設計思想というか。データフォルダの扱いなんかがとりわけそうかな。
- 多少反応がとろい。まあ耐えられないほどではない。
- UIというか、操作体系はあんまり練られていないと思う。あまり直感的ではない。まあ慣れれば大したことないですが。
- 内蔵Operaは実に強力。普通にウェブページが見えてしまうのは大変便利。
- 上と関連して、さすがに通常の電子メールを京ぽんに転送する気にはならないのだが、OperaはSquirrelMail (on SSL)も大丈夫なので、そういう環境を用意すれば出先で簡単にメールが読める。
- 充電がUSBケーブル経由でできるのもよい。
- 標準で予定管理機能がついているともっとよかった。
- keitairc最高。
2004-09-16 [長年日記]
_ [Food] 麺屋黒船@武蔵関というか吉祥寺というか
元はアパマンの営業所だったのに、いつのまにかラーメン屋になっていたスロット。新青梅街道沿い、吉祥寺通り入口。びっくりドンキーのとなり。地図で言えばここだ。最寄駅はいちおう武蔵関ということになるんだろうが、電車で来ると相当歩くことになるでしょう。しかも車を停めるところはありません。幹線道路の新青梅なので路肩駐車も厳しかろう。ようは自転車かバイクで来いということですね。
それにしても、ギラギラした外装に加えて「TVチャンピオンのちゃぶ屋店主がプロデュース」云々と言うウザい口上、その上公式ウェブページも含め、営業時間や定休日、住所電話番号等が見やすいところに書いていない(のでこの日記にも書けない、たぶん昼は11:30から14:30まで、夜は17:00から22:00まで?だと思う。水曜定休?)という、ある意味客に来んなと言っとるんか的フランチャイズなのだが、くやしいので試しに寄って見た。夜だったがガラガラ。
どうやらスタンダードらしい醤油麺を頼んだが、いや、意外なくらいにうまかったです。ほんと。褒めるのしゃくだけど。麺もよし。スープもよし。チャーシューもよし。突出したものはないが、逆にケチをつけるところもない。この立地に店を出すということは、それなりに自信があるんだなと納得しました。なお揚げにんにくは無料。
_ [Bicycle] タイヤ・チューブ換装、ブレーキシュー交換
よく見たらタイヤはパターンが摩滅して表面がひびわれているわ、ブレーキシューが擦り減ってぼろぼろだわで、このままだとそう遠くない未来にチャーリー・パーカーやエリック・ドルフィーとセッションする栄誉に与りそうな勢いなので、急遽手を入れることにする。今まではかなり太いMTB用のブロックタイヤを履かせていたのだが、もはや通学以外に自転車に乗らないので、オンロード用のスリックタイヤに換えた。SCHWALBE MARATHONの多少太めの高耐久モデルで一本2600円。チューブもついでに換えて一本800円。ブレーキシューも交換したのでこれで一安心。舗装路中心の街乗りにはこのほうがいいだろう。尻が痛くなりそうだが。
2004-09-17 [長年日記]
_ [Life] 宮城“ドア”オープン「本拠地球場の改修早急に」
サッカーマニアの武井さんに教えていただいた。元は夕刊フジの記事らしいんだが、
ネックとなっている二軍施設や室内練習場については、「以前、Jリーグに所属していた『ブランメル仙台』が廃業し、その施設が空いている。二軍の練習設備としてはうってつけなのでは」(前出の関係者)とクリアできそう。
J2に上がったときに「ブランメル仙台」から改名したのが、今のベガルタ仙台じゃないのか? 施設に行ってみたら使えないとか(笑)。「関係者」というあたりもよい。誰やねん。
2004-09-20 「ダディ! もういっちょう!」 [長年日記]
_ [Music] ストーン・ヴードゥー / アイボボ・フィーチャリング・ジャン・ポール・ブレリー
私はダンスが絶望的に下手なのだが、それでも踊れる音楽が好きだ。踊れる音楽というのは、ようするに何らかの意味でビートやリズムがくっきりとしている音楽で、ジャンルやスタイルとはあまり関係ない。当然ながらクラシックでも踊れるものはあるし、セシル・テイラーの音楽だって踊ろうと思えば踊れる。というか、弾いてる当人も踊ってるし。
さらに、できればへんてこなメロディがかぶさっているとなお好ましい。自分で言うのもなんだが、いわゆるポピュラー音楽で典型的なコード進行や典型的なメロディはすでにあらかた聞き尽くしたし、そんなのが飽きもせず再生産される現状というのにも食傷気味だ。何かへんちくりんなものが聞きたい。具体的には、オーネットが吹くメロディ・ラインみたいなものです。現時点で私が好きな「ジャズ」とは、そんなものを指す。
で、このアルバムなどは、上に挙げた基準に見事に合致しているので、まさしくジャズです。特に、一曲目の変態ファンクは格別に楽しいのでお前らぜひ聞きなさい。ねじくれまくったメロディといい、打楽器の乱舞といい、実に気持ちいい。J・P・ブレリーの轟音ギターもここぞという時に決まりまくっている。できるだけバカでかい音量でかけたほうが楽しいと思う。そういう意味でも、いつかライヴで見たいバンドだ。
あえてこむずかしいことは書きませんでしたけど、ハイチの歴史的重要性だのトランス=アトランティックがどうしただのは東琢磨さんが書いたライナーノーツに詳しいので、そっちを読んでください。
2004-09-28 [長年日記]
_ [Music] Oscar Peterson Plays Count Basie / Oscar Peterson
10年くらい前に一度CD化(輸入盤、日本盤共に)されたきり、長らく廃盤状態だったこの作品が、ようやく紙ジャケで再発されたようだ。悪いことは言わないので、ジャズピアノに多少なりとも興味がある人間は黙ってこれを買うべきである。初回限定らしいし。
昔々、一曲目に収められた超猛スピードのLester Leaps Inを聞いて、ピアノをうまく弾きたいなあと初めて切実に思ったのだった 。そういう個人的な思い出を差し引いて、現時点で冷静に聞き直してもやはりとんでもない演奏だと思う。表現に結びつかない単なる速弾きは、曲芸みたいなものなのでどうでもいいと思っているのだが、それでもなお、本当に物凄いテクニックというのはそれだけで聞き手を圧倒する力がある、というのが、この演奏を聞くとよく分かる。
ピーターソン本人の目覚しいテクニックの冴えもさることながら、この時期のピーターソン・トリオ(プラス、バディ・リッチがドラムスというのもうれしい)ならでは鉄壁のコンビネーションも素晴らしい。実に細かいところまでアレンジが利かせてあり、「一糸乱れぬ」と言う表現がまさにぴったり。9:20 Specialなどミディアム・テンポの曲における粋な唄わせ方がまたいい。今の耳には多少古くさく聞こえるスタイルかもしれないが、これもまたジャズピアノの極北だと思うのだ。
ピーターソンはまだ存命だし、今年も上原ひろみを前座に来日したらしいが、相当な高齢の上脳卒中の後遺症もあって、このアルバムで聞けるような豪快で華麗なキーさばきはもはや望むべくもない。ピーターソンというと、ちょっとジャズをかじった人間には大衆的な分かり易い音楽の典型のように思われてしまうふしがあって、私自身も一時はなんとなくかっこ悪いような気がして聞くのを避けていたのだが、このアルバムなどを聞くと、今さらのように失われたものの大きさに気づくのである。奇を衒わずに、メインストリームを極めるというのは、実際、ほんとうに、大変なことなのだ。
2004-09-30 [長年日記]
_ [GNU] RMSは無事
SANE2004の会場からパリへの帰途でRMSが自動車事故に遭ったという話があったのだが、どうやら事故が起こったのはRMSがパリで降りた後のことだったようで、無事だそうです。なぜかwiggyがやっているまとめサイト。
_ [Life] ジロンカ スメルキラー クラシックセット (ブラック)
天下一品でにんにくを入れまくったこってりを食べた翌日など、部屋が自分でも分かるくらいに臭いのである。まあそうでなくても臭いので、よい消臭剤を探していたのだが、たまたま池袋の東急ハンズに寄ったらこれが売られていたので思わず買ってしまった。全体的な印象は、何と言いますか、往年のピラミッドパワー・ライクというか、少年ジャンプの最後のほうにビガーパンツとかラピスラズリ・ペンダントといっしょに並んでいそうな感じで、いかにもうさんくさいのだけれども、ガジェットとしての見た目と質感がかっこいいので買ってしまったというのが正直なところ。表面に細かい溝を掘って表面積を大きくしたステンレスの塊に、水を貯めるトレイがついてくる。ドイツ製だそうです。
トレイに水を張ってステンレスを漬けると、水と空気に触れることでステンレスが触媒になって臭い分子(ようするに硫黄)を分解します、ただ水に漬けるだけだからランニングコストはゼロでしかも安全です、というのが口上なのだが、輸入元のページを見ても原理に関してあまりきちんとした説明がない。ステンレスというか鉄化合物の触媒が消臭作用を持つという話は例えばこのあたりを見ると書いてあって、化学の知識が乏しい私でもそうなのかなあという程度には分かるのだが、「連鎖的に次々と分解」というのがようわからん。というか、実はステンレスのスプーンとかでもいいんだろうか。
とはいえ、私の部屋を締め切って3時間ほど放置しておいたのだが、確かに臭いは消えました。だからまんざら詐欺ではないらしい。といっても気のせいかもしれないので、今晩は台所の生ごみ箱の近くに置いてみる予定。
_ かのう [日本での楽しみが一つ減りました>ホットチキンバーガー]