2004-08-01 [長年日記]
2004-08-04 [長年日記]
_ [Reading] マルタの鷹 / ダシール・ハメット (村上啓夫訳)
すっかりくたびれはてて午前様で帰宅し、帰りがけに買った紀文のうなぎ入りちくわをかじり、ついでにブックオフで仕入れたこの古本とタオルを持って風呂に入ったのが午前1時くらいのことだ。そして出てきたのはついさっき、午前4時くらいである。それまでずっと湯船で読んでいたわけだが、こいつはたまんねえ。確かに傑作の名にふさわしい。一気に読み切ってしまった。お前らも読みなさい。ハンフリー・ボガード主演の映画は見たことがある人が多いかな?
しかし、他にやることはいっぱいあるわけで、おまけに今日は格別に忙しいのだが、これから少し寝ます。世評もたまには信じてみるもんだね。
2004-08-14 [長年日記]
_ [Music] Spinning Song: Duck Baker Plays The Music Of Herbie Nichols
池袋のディスクユニオンを覗いたら、DIWから出ていた日本盤CDの中古が500円だの800円だのとかなり有り得ない値段で投げ売りされていて、気絶して思わず6枚も買ってしまった。これはそのうちの一枚。
ギターの世界に疎いのでダック・ベイカーというのは全く知らない人だったが、教則本やビデオなどを多く出していて、どちらかというと教育者として有名な人らしい。結構頻繁に来日しているようだ。
そういった人が、ハービー・ニコルズの作品を、ソロ・ギターで演って、しかもジョン・ゾーンのレーベルAVANTから出すという企画そのものがまず面白い。ジャケットにも見ての通り当人ではなくニコルズの写真(フランシス・ウルフが撮った有名なポートレイトですね)が使われているので、知らない人が見たらベイカーとはこういう人だと思うか(ベイカーは白人です)、あるいは1964年に亡くなった故ニコルズの「新作」だと思うか、どのみち変に誤解するような気がする。
内容はと言えば、いかにもニコルズらしい屈折したメロディー・ラインと変ちくりんな構造を持つ曲を、あまり凝らず律義に淡々と解釈してギター一本で弾き切った、地味ながら聞き飽きの来ない代物。別に早弾きなどでテクニックをひけらかしているわけではないが、並の技倆でないことは素人にも分かる。アクースティック・ギターの音色もあいまって、非常に味わい深い。
また、おそらく作曲者当人が遺した録音よりも馴染みやすいと思われるので、ニコルズに関心はあるが聞いたことはないという方にもおすすめできると思う。なお、ニコルズ自筆の「Bartok」の譜面がジャケットの内側に載っています。
2004-08-26 [長年日記]
_ [Music] 真夏の夜のジャズ
どうも寝つけないので、他人様の日記をぼちぼち読んでいたのだが(原稿書けよ)、たまたま仲俣暁生さんがご自分の日記でこの映画を取り上げているのを見掛けたので、思わず昔録ったビデオを引っ張り出して最初から見てしまった。
すでに何回となく見ているのだが、何度見ても良いものは良い。個人的には、「颯爽」と言う形容がいかにもぴったり来るアニタ・オデイのステージ(女の子は万難を排して見なさい)や、白いスーツをびしっと着こなしいかにも満を持してという感じでビッグ・メイベルの背後から勇姿を現すバック・クレイトン、ジョー・ジョーンズやピーナッツ・ハッコーら百戦錬磨のじじいどもに囲まれてジャズ風味のロックンロールをやる羽目になっている若いチャック・ベリーなどのシーンが印象に残る。もちろんモンクやマリガンや、ちらっと出てくるドルフィーも良いのだけれど。
とはいえ、今回とにかくしびれたのはトリのひとつ前で登場するルイ・アームストロングのステージで、見ていたらどういうわけか震えが来て動けなくなってしまった。VOAのアナウンサーだったウィリス・コノーバーとおそろしく下らない話で盛り上がっているシーンから急転、十八番のLazy Riverが始まるのだが、白いハンカチ片手に淡々と吹き、陽気に歌うだけなのに、なんとも言えぬ「深み」があるのだ。というより、もっと言うとある種の「凶々しさ」すら感じたのである。すでに年齢的には下り坂にあったはずのサッチモの最後の凄味とでも言うべきか。何度も見たシーンなのにこんな気分になったのは初めてで、不思議なものだ。
なお、村上春樹がこの映画の内幕話について触れていたのは、たぶん彼が翻訳したビル・クロウのさよならバードランドの中でだろうと思います。他の本でも似たようなことを書いているのかもしれないが。
2004-08-29 [長年日記]
_ [Gadget] ロジクール MCO-50BK コードレス オプティカルマウス for Notebook
マウスを買い替えた。池袋ビックカメラで4580円。Amazon.co.jpだと5120円。別に特売の商品ではなかったし、まだまだ価格ではAmazonは量販店に勝てないようだ。ちなみに私が買ったのはブラックではなくシルバー(MCO-50SV)である。
結局私はHP Omnibookのトラックポイントに馴染めなかったので、マウスは生命線だ。手をいちいちキーボードから離さなければならないのでアホらしいのだが、やむをえない。
選定にあたり考えたのは、
- このご時世にコードレスで光学式なのは当然である。
- かといってあまり移動の認識というか追従性がアバウトなのは困る。
- 充電オンリーのものは修羅場で電池が切れると途方に暮れそうなので、市販の電池も使えるものがよい。電池はせめて数ヵ月は保って欲しい。
- 高級なコードレスマウスにありがちな、受信部がPDAのクレードル並にでかいものは勘弁してください。
- 私の場合、基本的に「持ち運ぶ」ことが前提である。大学と家と二つ買えばいいだろうという話もあるが。
- Windows上でもそれなりの頻度で使うが、GNU/Linux(というかX)上でが主なので、あまりナウいこじゃれ機能(ホイールの横スクロールだの怪しいなんとかボタンだの)があってもたぶん役に立たない。きちんと設定すればXでも使えるのかもしれないが、たかがマウスにそこまで手間をかけたくない。
- 塗装がはげないこと。私の手が脂っぽいのかもしれないが、例えばエレコムのマウスは半年くらい使っていると塗装がはげてくるのである。塗装がはげると手触りもざらざらしてよくないし、見た目も悪い。
そんなわけでこれにしたのだが、大体基準は満たしているようだ。
- 余計なボタンがついていない(2ボタン+ボタン兼用のホイール)。GNU/Linux上でも問題なくUSBマウスとして認識される。
- 追従性はコード付きのものに遜色ない。大昔、出始めのコードレスマウスの操作性の悪さに辟易した人間としては驚いた。
- 電池は単三2本で3ヶ月ほど保つようだ。マウス自体の電源がオンオフできるのも持ち運びに適している。チンケなキャリングケース付き。
- 受信部はUSBメモリ並の小ささ。
- 色は塗装ではないのでおそらくはげないだろう。
ただ、電池がマウスの中に入っているわけで、多少の重さはある。指先で軽くひょいひょいとマウスを動かしたい方には向いていないかもしれない。私自身はそれほど細かい作業をするわけではないので、特に困らないのだが。
_ charlie [ハメット(・∀・)イイ! この時代のハードボイルドって、意外に俗物な主人公が多いんだけど、この作品もそういう色彩が濃..]
_ mhatta [うーん、スペイドの人物造型もさることながら、とにかく次から次へと違う場面をテンポ良く繰り出して読んでる奴の関心をつな..]