My Human Gets Me Blues

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2008-11-27 [長年日記]

_ [Life] 近況

このところ忙しくてまた死んでました。もはや日記というより月刊やね。今後もあまり状況は改善されないと思いますが…。いくつか取材を受けたので、来月か再来月あたり各種媒体にちょこちょこと出るかも。出ないかもしれませんが…。


2008-11-28 [長年日記]

_ [Jazz] I Love The Life I Live / Mose Allison

Mose Allison Trilogy: High Jinks!(Mose Allison)

以前ベン・シドランのことを取り上げた時も似たようなことを書いたが、日本にモーズ・アリソンの熱烈なファンという人がどれくらいいるのか、私には全く見当がつかない。たぶん5人くらい?

熱烈というほどではないが私もアリソンは結構好きで、ここ数年、彼のCDがそれなりに手元に溜まってきた。村上春樹氏もさよならバードランドの巻末「私的レコードガイド」でアリソンについて、「特に熱心にあつめたわけではないのだが、目についたものを買っているうちにけっこう沢山レコードがたまってしまった」とお書きになっていたが、全くもってそんな感じである。

当たり外れが少ないと言えば聞こえは良いけれど、裏を返せば時代を画する大傑作とか目が覚めるような問題作といったものは皆無ということでもあって、どれを聞いても基本的には同じ世界が広がっている。じゃあ一枚買えばそれでいいじゃないかと言う人もいるだろうが、そういう身も蓋もないことはアリソンに言わせておけば良いのであって、あなたが言う必要はないのである。ねじけてひねくれて愉しく後ろ向きなアリソン・ワンダーランドにどっぷり浸かって、なかなかうまいこと言うなあ、でも全然変わり映えしねえなあ、などとつぶやきながら一人で聞いて微妙な気分になるのがアリソンの音楽の正しい楽しみ方だ。

ところで、シドランにしろアリソンにしろ、このタイプのミュージシャンはどうしても皮肉の効いた歌詞の内容に最大の注目が集まるが、ピアニストやヴォーカリストとしてのアリソンの良さというのも無いことはないのである。ただ、それはなかなか明確に言語化しづらいものなのだ。ピアノもワンパターンと言えばワンパターンだし、歌にしてもあんな鼻声で音程も怪しい歌のどこがいいんだと難詰されると言葉に窮する。結局、あのピアノとヴォーカルの絡み具合が…というような、極めて感覚的なものなのですね。そこに身も蓋もない歌詞が加わって、独特の魅力が醸し出されることになる。

このCDは村上氏が前掲書で挙げていたものだが、元々CBSから出たこともあってたぶん世間的にもアリソンの代表作ということになるのではないかと思う。てっきりCD化されていないと思い込んでいたのだが、なんと3枚組(といってもボックスセットではなく、CD3枚を紙の箱に入れただけ)で出ていた。もう廃盤のようだがユーズドなら買える。最近はこればかり聞いている。

ちなみに、氏は「このレコードに入っている『アイ・ラヴ・ザ・ライフ・アイ・リヴ』という彼のオリジナル曲はとてもいい」と書いているが、もちろんこの曲はウィリー・ディクスンの曲である。「とてもいい」のには違いないけどね。


2008-11-30 [長年日記]

_ [Food] クォーターパウンダー・ウィズ・チーズ

パルプ・フィクション [DVD](クエンティン・タランティーノ)

ミーハーなのでさっそくクォーターパウンダー・ウィズ・チーズを食べた。パテからして違ったロッテリアの絶品チーズバーガーなどとは違って,ようするにチーズバーガーを相似拡大しただけやね。いい按配に腹がもたれただけでした。

クォーターパウンダーと言うと、個人的には映画『パルプフィクション』の「フランスでクォーターパウンダー何て呼ぶか知ってるか?」という例の場面が忘れがたい。正確には以下のような台詞だったのだが、台詞だけ読んでもあまり面白くない。やはりあれは、ジョン・トラボルタ(ヴィンセント)とサミュエル・L・ジャクソン(ジュールズ)の名演だった。アメリカ人にはフランス語がなんとなくおかしく聞こえるということが下地になっている。

ヴィンセント: ヨーロッパで一番おかしいことって知ってるか?

ジュールズ: 何だよ?

ヴィンセント: ちょっとした違いがあるってことだよ。ヨーロッパの連中もアメリカと同じろくでもないものを食ってるが、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ違いがあるってことなんだ。

ジュールズ: 例を言えよ。

ヴィンセント: 例えばな、映画館でビールが買えるんだよ。紙コップとかじゃないぜ。ちゃんとグラス一杯で出てくるんだ。あとパリではな、マクドナルドでもビールが買える。お前、連中がクォーターパウンダー・ウィズ・チーズを何て呼ぶか知ってるか?

ジュールズ: 連中もクォーターパウンダー・ウィズ・チーズて呼ぶんじゃないのか?

ヴィンセント: 違うよ。連中はメートル法だからな、あいつらクォーターパウンダーてどういう意味か全然分からねえんだよ。

ジュールズ: じゃあどう呼ぶんだ?

ヴィンセント: (鼻にかかった発音で)ロワイヤル・ウィズ・チーズて呼ぶのさ。

ジュールズ: ロワイヤル・ウィズ・チーズ。

ヴィンセント: そうだ。

ジュールズ: じゃあ連中はビッグマックはどう呼ぶんだ?

ヴィンセント: ビッグマックはビッグマックだよ。でも、ル・ビッグマックになるんだな。

ジュールズ: ル・ビッグマックか。じゃあワッパーは?

ヴィンセント: 知らねえよ。バーガーキングには行かなかったからな。

日本人にも1/4パウンドってどれくらいかよく分かりませんな。113.4グラム、ということのようですが。