2003-09-01 失意と倦怠の日々 [長年日記]
_ [Music] Songs to Remember / Scritti Politti
Scritti Polittiのデビュー作(だったと思う)。最近CDになりました。近作と違って、いわゆるテクノではないので注意。というか、根本的に別のグループだと思ったほうが良いかも。個人的にはこっちのほうがずっと好きだが…。Jacques Derridaというタイトルの曲があったりして、ある意味時代を感じさせる。この曲の歌詞以上に、ポモの本質をうまく表現した曲はないんじゃないでしょうか。「知の欺瞞」なんか読んでる場合じゃないですよ奥さん! 最近のSPANK HAPPYとかが好きな人もはまるに違いない。
例によってBGMとしてかけているのだが、6曲目のSexを聞くとセックスセックスセックスと連呼してしまうので全然勉強になりません。というかセックス最高。ゴスペル風味のFaithless(というタイトルの付け方もうまいなあ)もいいっす。
2003-09-02 失意と絶望の日々 [長年日記]
_ [OpenSource] Liferea
たまにはこじゃれたblogをサーフしてナウいヤンエグを気取りたいわけだが、こいつらの更新をアンテナで追うのは結構むずかしい(というか、いわゆるアンテナ的なものと馴染まないような気がする)。そこでXで使えるBlog専用ビューワRSS aggregatorを物色したのだが、このというのはGTK2ベースでなかなか良い。Windows用のFeedReaderのクローンなんだそうだ。
_ [Music] Ups'n Downs / Bud Powell
最晩年期のBud Powellの演奏を寄せ集めたもの。原盤はMainstreamだが、ここはかつてEmArcyやTimeのプロデューサーだったBob Shadがやっていたレーベルで、90年代初頭には娘のTamara Shadがこのアルバムを含めた何枚かをCDでリイシューしている。そのときにはもう2曲追加されて12曲入っていたそうだが、私が買ったSonyからの再発盤に入っているのは10曲のみである。相変わらずSonyは仕事が甘い。
録音時期にしろパーソネルにしろデータが皆無に等しく、仮にデータがあっても全然信用できないので、ではかなり耳と勘に頼ったwild guessを入れた(educated guessとはおこがましくてとても言えない)。書いた当人も根拠を忘れそうなのでメモ。
まず、アルバムの構成としてはソロが3曲、トリオが7曲だが、音響から判断するにソロは1曲('Round Midnight)がかなり広い会場(客も多い)でのライヴ、残りはスタジオ録音のようだ。で、ライヴ録音のほうは、かなり高い確率で1965年3月27日カーネギーホールにおけるCharlie Parker没後10年記念コンサートの音源だと思う。当時のIra Gitlerの記事によると、この日Powellは一人で現れて'Round MidnightやNo Smokin'を弾いた。他にKenny DorhamやBillie Taylerらが出演したこのコンサートの模様は一部がLimeLightから出ているが、LimeLightはEmArcyのEmArcyと同じくMercuryの傍系レーベルだったので、Bob Shadが何らかの伝手でテープを手に入れたと考えられなくもない(ツッコミ参照)。
あとのソロ2曲に関してはあまり詳しいことは分からないが、録音が比較的良いのでまともなスタジオで録ったもの(Francis Paudrasの宅録ではない)と思われる。ちなみにジャケットにはI Can't Believe That You're in Love With Meと記載されているが、これは明らかにPowell自作のButtercupだろう。まあ曲調はよく似ているが。
残りのトリオセッションは音質から見ておそらく同一メンバ、同一日時の録音なのだが、データが一切無いのでさっぱり事情がわからない。少なくともゆるゆるのドラミングから見てJ.C. Mosesがドラムスなのは間違いないだろう。ベースは当時のレギュラーJohn Oreよりうまいような気がする。ノイズやドロップアウトが顕著で全体に音質はそれほど良くはないが、バランスや低音の録音状況自体はそんなに悪くない(というか、後とも関連するがシンバルや低音が前に出たどっかで聞いたようなバランスなのである)ので、まともなスタジオで録ったもので、マスターではなく(ミュージシャンに渡される)リファレンステープかそのコピーが元ではないかと推測される。拍手や男の声(「ブラボー!」)が最後に入るのでしばらくライヴ録音だと思いこんでいたのだが、他には一切客の声やざわめきが聞こえないし、どうもとってつけたような感じがするので、スタジオ録音に後で拍手や声だけ追加したんじゃないかと思うのだ。
このセッションに関して不思議なことはもう一つあって、レパートリーが明らかに変だ。パリ時代を含め、晩年のパウエルのレパートリーはライヴ、スタジオ録音を問わずかなり固定されているのだが、このトリオセッションでは明らかに最晩年の演奏にもかかわらず、レパートリーが自作、それも新作中心なのである。おまけに問題のNo Smokin'やA Moment's Notice(信じられないかもしれませんが、あのColtraneのMoment's Noticeです)とか明らかにそれまでのPowellとは接点のないナンバーが取り上げられている。
こういうことをPowellにやらせることができた(というより、やらせる根性があった)レーベルというと私にはひとつしか思い浮かばなくて、それはAlfred LionがいたころのBlue Noteなのだが、果して1964年の帰国以降にBud PowellはBlue Noteでスタジオ録音を残しているのだろうか。ある資料によると、(曲目は分からないが)どうやらそういうセッションが1964年末、Englewood Cliffsに移転後のRudy Van Gelder Studioで行われたようなのだが…。
2003-09-03 煩悶と絶望の日々 [長年日記]
2003-09-04 ブルーにこんがらがって [長年日記]
_ [OpenSource] FLOSS-JP
昨日の晩答えた。
今までに関与したプロジェクトはいくつ?というような質問があったと記憶しているが、パッチ投げたり翻訳したりといった「関わった」程度のプロジェクトは相当数に上るとは言え、深くコミットしたのはそのうちほんの小数だし、どう答えたものか困る。
2003-09-05 ねむくてしにそう [長年日記]
_ [Music] Tranquility / Lee Konitz
KonitzがVerveに残した作品は6枚だったと思うが、これなんかは知名度こそ世評の高いVery CoolやMotionより多少劣るとは言え、個人的には一番好きなアルバムだ。
まず、盟友Billie Bauer (g) を交えたピアノレスカルテットというのがいい。最近30年のブランクを経て復活したがベース、ブラシの名手Dave Baileyがドラムス、そしてもちろんBauerがギターという手堅いバックに支えられ、美しい曲を美しく歌いあげている。「歌いあげる」といっても妙に感情過多になってべたつかないあたりがKonitzの身上だが、Bauerの乾いた音色と巧みなコードワークもそういった後味の良さに大きく貢献している。
2003-09-06 残暑 [長年日記]
_ [Music] A Tribute To Cannonball / Bud Powell & Don Byas
プロデューサー業にも力を入れていたCannonball Adderleyが、当時ヨーロッパに長期滞在(「亡命」と言ってもよいだろう)していたベテラン二人にCBSでの吹き込みの機会を与えたもの。ゆえに、本当は「キャノンボールに捧ぐ」ではなく「キャノンボールが捧ぐ」なのだが、結局Adderley死後の1979年まで発表されなかったので今となってはどっちでも良い話だ。
内容的には、比較的好調なPowellに加え、すでに1940年代からヨーロッパに移住していたため本国ではほぼ忘れられた存在になっていたDon Byasが(多少スタイル的に違和感があるが)モダンなセッティングの下でのびのびと吹いていて、なかなか悪くない。選曲も、Duke PearsonのJeannineとか私の好みの曲をやっていてうれしいが、やはりこの時期になるとアップテンポの曲よりもバラードのほうが落ち着いて聞けるようだ。ちなみに、Columbia Legacyからの再発CD輸入盤にはボーナスとしてAdderleyがアルトで飛び入りしたCherokeeが追加されていて、これも興味深い。たぶんAdderleyとPowellの唯一の共演記録だろう。
Don Byasは今となっては歴史の脚注に過ぎない存在だろうが、ジャズの発展においてとても大きな仕事をした人だと私は思う。そのあたりもそのうち暇があったら書けるといいな。
_ [OpenSource] 坂村健書評
まあに書くほどのことでもないのでこちらに。
この坂村健先生のなのだが、二点理解に苦しむ点がある。
GPL(The GNU General Public License; 一般公開仕様許諾書)で有名なFree Software Foundation(FSF)
GPLは仕様を公開しろと言っているんではなくて、ソースを出せと言っているのです。だいたい、GeneralとPublicはともかく、なんで原語にない「仕様」が出てくるのかよく分からない。
nitpickingと思われるかもしれないが、坂村さんは前もどこだったかで「TRONは仕様が公開されているからオープンソースだ」というようなことを話しておられた。ゆえに、本気で「オープンソース==仕様の公開」だと思い込んでいるのではないかと危惧される。
オープンソースというのはソフトウェアのソース、すなわち実装のライセンスに関してある基準(OSD)を満たしているかどうかという話だから、仕様が公開されているかどうかではなく、オープンソースな実装が存在するか否が問題なのだ。RFCで仕様が公開されているプロトコルがあっても、それを実際にしゃべるオープンソースな実装がなければ意味がないのと同じである。
TRONの仕様がオープンなのは大変結構だし、先進的な発想だったと思うが、TRONのオープンソースな実装が存在するとかしないという話ならともかく、TRONそのものがオープンソースだとは言うのは無意味な言説だろう(オープンアーキテクチャとかなら分かる)。だいたいがかわいそうじゃないか(笑)。
もう一点。
ちなみにTRONでは,改良したソフトウェアの開示の義務はない.だから,「組み込みLinuxをITRONの上で動かしてGPLの制約を逃れる手法」などにも利用されているようだ.
parseすべく努力したのですが、意味がよくわからない。最初のセンテンスはわからなくもない(でもこれも実装のライセンスに依存する話だと思う)。それより、なんでITRONの上でLinuxカーネルを動かすとGPLの制約を逃れられるんだ?
2003-09-08 ねむい [長年日記]
_ [Music] The Stylings of Silver / Horace Silver
先日Bud PowellのUps 'n Downsを取り上げたときに、PowellがHorace Silverの曲No Smokin'を演奏していると書いたのだが、Horace自身はどこでやっているんだという質問が来た。私が知る限り、これがオリジナルである。
Sister SadieやSong For My Fatherといったクラスのヒット曲には恵まれていない(でも手の込んだいい曲ばかりだと思うんだけどなあ)地味なアルバムで、フロントがArt Farmer - Hank Mobleyという控えめかつ過渡期のラインなので一般的な知名度もなさそうだが、個人的に気に入っているアルバムだ。
2003-09-09 死ぬときは誰だってねむい [長年日記]
_ [Music] I'll Sleep When I'm Dead (An Anthology) / Warren Zevon
先ほどWarren Zevonが亡くなったようだ。去年の暮れの段階で末期の肺癌、あと1ヵ月もたないと言われていたのだから長持ちしたほうだろう。
まあ他人の死ほどどうでもいいことはないが、このいかにもRhinoらしい手の込んだコンピは、Zevonのそれなりに長いキャリアをレーベルをまたがって俯瞰できる便利な代物。ヒット曲(というほどものすごいヒットはないが)も大体網羅している。でももう廃盤なのかなあ。中古屋にいけばいくらでも売っていると思うが。
しかし、この人は時たま気味の悪いほどに歌詞が現実とシンクロするのだが、自分自身に関してもまだ癌だと分かっていなかった去年の6月の時点でMy Ride's Here(お迎えが来た)というアルバムを作っていたり、不謹慎だが面白い。今回も寝ている間に亡くなったそうで、このコンピのタイトルにもなった曲とまたまた変な合致が。ただ、当人が「遺作」となることをあらかじめ想定して作った最新作のWindでは、Knockin' on heaven's doorとかあまりに意図が見え見えの曲をやっていて、ちょっと作り過ぎというか、晩節を汚したような気がする。これも彼の狙いだったのかもしれないが。まあ死んだ人に何言っても仕方ないですね。
というようなpoliticallyにあまりcorrectじゃない書き方を不愉快に感じるナイーヴな方は、(さっぱり英語が分からない場合を除き)Zevonはやめておいたほうがいいです。私自身はZevonという人は基本的にはモラリストだと思っているのだけれど。
2003-09-10 [長年日記]
_ [Sun Ra] Piano Recital: Teatro La Fenice, Venizia / Sun Ra
大学からの帰りにお茶の水のに寄ったら売っていたので買ったのだが、あとでで調べたら2003/10/21発売予定とかで、なんのこっちゃいという感じだ。しかも限定1500枚とか。というわけで残りは1499枚以下です。1977/11/24の録音。
これを出したはロンドンのLeo Feiginという変人が(たしか夫婦で)やっていて、欧州系フリーを中心に藤井郷子など手広く扱っているレーベルだが、サウンドサンプルをで提供するなど変なところにこだわりがある。それは別にいいんだが、扱う音楽がフリーなら権利処理もいくぶんフリーなようで、90年代に入ってSun Raの「未発表音源」をいくつかCD化したものの、実は観客の隠し取りが元ネタだったりして、Arkestra側とは結構もめているらしい。まあ良い物ばかりだし、音質の改善も努力の跡が見られるし、いずれにせよ出してくれるに越したことはないのだが。これものSun RaディスコグラフィThe Earthly Recordings of Sun Raを見ると元はイタリアのTV(ラジオ?)の音源らしいので、まあ半分ブートレグみたいなものか。音質は最上ではないがそんなに悪くない。
Sun Raはこれまでに3枚ソロピアノ作品を残していて、今回ので日の目を見たのは4枚目ということになる。1977年は特にソロピアノに凝っていた時期のようで、Paul BleyのレーベルIAIから出たSolo Piano Vol.1とSt Louis Blues: Solo Pianoも同時期の録音だ。ことにソロピアノのライヴとなると、従来は後者しか知られていなかったのでそういう意味でも貴重と言えるだろう。
しかも、もしかすると内容的には一番いいかもしれない。レパートリーのバリエーションといい(ソロで聞くLove in Outer Spaceはかなりいい)、演奏内容といい、申し分ありません。結局観客がいると燃えるタイプの人だったんだろうなあ。
2003-09-13 残暑 [長年日記]
_ [Music] 副島輝人 連続レクチャー「日本のフリージャズ史を語る」
以前の日記でも書いた通り、高円寺のという店に行ってというのを聞いてきた。
偉そうなことを言っているわりに実は私は生まれてこのかた高円寺という街に行ったことがなかったので、早めに着いて30分ほどぶらぶらする。雰囲気がゆるくて居心地の良さそうな町ではある。夕飯はホロトンを見付けたので味噌ラーメン。椎名町のよりスープが薄くないか?
時間になって駅で友人を待っていたのだが、来やがらねえ。電話してみると明らかに寝起きであたふたしているので放置して一人で店にいく。ガード下の飲み屋街のはずれでずいぶん小さい店だった。旧知のDIW沼田さんに挨拶したが、結局観客は中央線沿線のミュージシャンないしミュージシャンの卵が多かった模様。なんか酔っててうるさいおじさんが一人いたのだが、途中で轟音に耐え切れなくなって帰ったようだ(笑)。
副島さんは (Marshall Allenからもらったらしい) 紫のSun Ra Tシャツを着ていた。さすが。ゲストの豊住芳三郎さんはライヴ以外では初めて拝見したが、見事なまでに説明の出来ない人で(笑)、言葉だけ聞くと何を言っているのやらよく分からない。しかし、見ぶり手ぶりが鮮やかでとてもチャーミングだった。さすが幾多の修羅場をくぐってきた人だけのことはある。
今回の主題となったのは高木元輝と阿部薫で、この二人が日本のフリージャズ界のJohn Coltraneであり、Charlie Parkerであるというのはなかなか言い得て妙だった。高木がいろいろ割り切れないものを抱えこんだ存在であったこと、阿部の音楽の本質がそのとんでもないスピード(フレーズがどうこうというレベルではなく、体感的なもの)にあり、その一方で実は冗談好きでおもろい人だったこととか。あと佐藤允彦はやはりただ者ではない。当り前だけど。来年の2月(?)にポリスターから出るらしい高木の1975年のライヴMosula Freightを聞いたが、これは実に素晴らしかった。
ただ、副島さんが読み上げた「当時のファン」とやらの手記だかオナニーだかは、聞いててつらかったなあ。私自身はバイヤーズガイド以外の音楽批評というのは根本的にクズだと思っているので、ああいうのは生理的に苦手だ。私もColtraneの音楽は好きだが、Coltrane教(妙にサヨクと親和性が高い)は理解できん。そういう時代だったのかもしれんすが。
帰りがけにで骨太ラーメン。まあうまかったけど、もう年なのでこの時間にこういうの食うのつらいです。
2003-09-14 あついよう [長年日記]
_ [Music] Unissued (poss. Sep. 1962 in Oslo) / Bud Powell
ディスコグラフィの編纂をやっていると思わぬ余徳があるもので、とある方からBud Powellの未発表音源を頂戴する。1962年9月、オスロでの録音ということで、元はFrancis Paudras由来のブツだそうだ。全部で30分弱だし、それほど音質も良くないので今後も(少なくとも単体で)発表されることはないだろう。
データに関してはに追記しておいたのでそちらを参照していただけばよいが、音響から判断するに放送録音ではないし、観客のしゃべり声等も聞こえないのでどうやらライヴではなくリハーサルの模様を記録したもののようだ。
ただ、私が知る限りでは1962年の9月は3週間に渡ってストックホルムの「ゴールデン・サークル」(Gyllene Cirkeln)に出演していたはずなので、その前後にオスロまで足を伸ばしたのかどうか、よくわからない。あるいは、ストックホルムに滞在中は毎日ホテルで2時間リハーサルをやっていたとのことなので、その時Paudrasが録音していたということなのかも。
1962年のPowellは全般的にかなり調子を戻していて、日によっては絶頂期を彷彿とさせる猛烈な演奏を残しているのだが、ここではまあ中くらいの出来。レパートリが変わり映えしないとは言え悪くない演奏を展開している。ベースとのデュオでのI Remember Cliffordはかなり泣ける。At the Golden Circle Vol.3のバージョン越えてるかも。
2003-09-23 さむい [長年日記]
_ [Sun Ra] Sun Ra講演@四谷いーぐる
お知らせ。来たる9/27の土曜日、四谷のという店でSun Raの音楽についてレクチャーをやります。14:30から17:00くらいまで。あんまり突っ込んだ話をするつもりはありませんが(というかできない)、聞いて楽しい話にしたいとは思います。比較的レアな音源も用意するつもりです。
お暇かつSun Raに関心のある方はぜひお越しください。
ちなみに前回Lennie Tristanoの話をしたときはを用意したのだが、さすがにSun Raであれをやるのは無理なので、関心のある方はRobert L. Campbellのでも見てください。ただしこれは書籍(2nd Edition)よりもかなり内容が古い。
_ [Food] いちや@石神井公園
昔はがんこ系で会員制だった江古田のラーメン屋いちやが、今年に入って
したので、食べに行ってみる。個人的にはここの紫蘇を効かせた塩ラーメン が好きなのだが、今日は つけめんを試して見た。夏期限定という話だったんだが、まだやっているようだ。本店と違って焼き茄子は乗っていないが、代わりに海苔がついてくる。
うーん、別にまずくはないのだが、つけめんというとどうしても東池袋大勝軒風のもりそばの味(七味入りで甘口)に慣れているので、酸味が強く小口ネギがこれでもかと入っているここの味は今一つピンと来ない。いやまずくないんですよ、ほんとに。好みの問題だな、これは。チャーシューはうまい。
スープ割りしてもらう気にもなれず、そのまま撤退。
_ [Food] 大泉大勝軒@大泉学園
ついでに、今日食べにいったわけではないが、最近大泉学園にできたについて。
基本的につけめんは、東池袋大勝軒系における「もりそば」という名称が示すように日本蕎麦へのコンプレックスに満ちた賄い飯で、あんなものをありがたがるのはよほど脳が不自由な奴だけだと思っていたのだが、最近は学食でも必ずつけめんを注文するほどのつけめんバカになってしまって汗顔の至りである。ここはつけめんないしもりそばをポピュラーにした東池袋大勝軒ののれんわけなので、だいたい本店と大差ない味だ(少し甘めで七味が多いか)。近所にこういう店があるとありがたい。でも麺のもりが並だとかなり少ない。あと麺が大勝軒系にしては細め。
_ ファーヂナンド [大泉の大勝軒を旨いとはお世辞でも言えない・・まずいの一言に限る。味のバランスが悪すぎ。本当に東池ののれん分けかと疑い..]
2003-09-26 疲労困憊 [長年日記]
2003-09-27 いよいよ疲労困憊 [長年日記]
_ [Sun Ra] Sun Ra講演@四谷いーぐるの顛末
準備不足(および寝不足)のため微妙に支離滅裂だったような気がしますが、土曜日の14:30から(しかも2時間以上ぶっつづけ)という変な時間帯にもかかわらず多くの方にお越しいただき、ありがとうございました。以下、話した内容の補足。
Sun Raは基本的にスイング時代に音楽家としての自己を形成した人(年齢的にもバッパーとは一回り違う)ですし、1960年まで地方都市のシカゴを拠点としていたこともあって、ビバップ以降のジャズはラジオやレコードから吸収、言い替えれば「勉強」したんだろうと思います(その痕跡は初期の音源を時系列順に聞いていくといくつも見付かる)。また、その時々の流行の音楽を取り込むことにも極めて積極的でした。Arkestraの面々がバイトでR&BやBlue Note録音を含む様々なセッションに顔を出しているので、おそらくそういうあたりからもいろいろなアイデアを得ていたんでしょう。裏を返せば、そんなに独創的・革新的なことをした人ではありません。だいたい、ビバップ以降にビッグバンドを率いるというのはアナクロニズムの極致だし。そこまではいいんですが、基本的にアレンジやその他の手法をきちんと真似ているのに、出てきたものがなぜかSun Ra風味になっているというのがこのひとのおもしろいところで、また私が一番魅力を感じるところでもあります。
_ [Sun Ra] Greatest Hits: Easy Listening for Intergalactic Travel / Sun Ra and his Arkestra
Sun Ra において「グレイテスト・ヒッツ」というものが成立しうるか否かに関しては議論の余地があるような気がしないでもないわけですが、ともかく入門編としては素晴らしい一枚。Sun Raの自主レーベル Saturn の音源を片っ端からリイシューしている Evidence レーベル社主の Jerry Gordon が自ら選曲、ライナーまで書いていて、どうもこの親父ちょっとおかしいんじゃないかという雰囲気が濃厚に漂います(Jerry Gordonのインタビューはここ)。とはいえ Saturn 音源のおいしいところはだいたい網羅されていておすすめ。ちなみにここでのゲテモノはラストのThe Perfect Man。ニーンニンニンニーンという妙なシンセベースの音でなごみまくりです。
_ [Sun Ra] Live At Montreux / Sun Ra and his Cosmo Swing Arkestra
1976年モントルーでのライヴ。二枚組ですが、特に二枚目は「ふつうのジャズ」に近いのでSun Raになじみの無い方でも聞きやすいんじゃないでしょうか。超猛スピードで有名なTake the A Trainはこれに入っています。ちなみにリンクを張ったのは輸入盤ですが、輸入盤は一枚目が4分くらい欠けているのでP-Vineから出た日本盤を探したほうが良いでしょう。Tony Williamsと同時期にAlan Dawsonの弟子だったのにあまりそういう文脈では名前が出てこない(破門された?)Clifford Jarvisが奮闘しているのも聞き所。
_ [Sun Ra] Live in Paris at the Gibus / Sun Ra and his Intergalactic Research Arkestra
講演では3曲目から4曲目をかけましたが、全体的に上出来のライヴ。1曲目は大昔いとうせいこうがサンプリングのネタにしていました(MESS/AGE)。2曲目の叙情味も捨てがたい魅力。さんざんフリーでいたぶられて、直後に猛烈にスイングするKing Porter Stompをかまされるとかなりやられます。
ちなみにこのコンサートの後、Arkestra草創期からレギュラーおよび優れた作曲家として貢献してきたRonnie Boykins(ESPに一枚リーダー作あり)が御大と喧嘩して袂を分かちます。若死しましたが素晴らしいベーシストで、この人がいるといないとでバンドの安定感が全然違うのがすごい。あとこの時はIntergalactic Research Arkestraなのでした。メンバが変わるごとに律義にArkestraの前につく修飾節を変えているあたり、真面目におかしいSun Raの本領発揮とでも言うべきか。
_ [Sun Ra] Fate in a Pleasant Mood / When Sun Comes Out
1956年から1960年にかけてのシカゴ時代の録音にはほぼはずれがないのですが、中でもこのカップリングは楽曲のバリエーションといい、アレンジの質といい申し分がありません。講演でかけたもの以外にも、たぶん(そのころ流行っていた)ボサノバをやりたかったんだろうと推測されるBrazilian SunやSun Ra名物のいわゆるSpace Chantの代表格We Travel the Spacewaysなど聞き所満載。このあたりはEvidenceからCDが佃煮にするほど出ているので適当に買ってお試しあれ。
_ [Sun Ra] Angels & Demons at Play/The Nubians of Plutonia
ジャケットが秀逸。中身もこの時期なので悪いはずがない。ちなみに講演でかけたA Call for All DemonsはSun Song(P-Vineから出た日本盤は菊池成孔さんが解説を書いている)でもやっているので興味があったら聞き比べてみてください。
_ [Sun Ra] Solo Piano Recital: Teatro La Fenice Venizia / Sun Ra
Amazonでは近日発売予定となっているのにDisk Unionなどではもう出回っているというのが謎ですが、1500枚限定なので欲しい人はユニオンに走るべし。録音が今一つですがソロのライヴは数少ないので貴重です。
_ [Sun Ra] Nuclear War / Sun Ra and his Outer Space Arkestra
講演でかけたのは冒頭の曲ですが、残りはエリントン・ナンバーなどまあふつうのジャズ(かなりかったるい)なので、フォービート原理主義者でもそんなに拒否反応は起こさないでしょう。アルバム最後を締めるSmileで、Arkestraの歌姫June Tysonが切々と歌っているのが泣ける。
_ [Sun Ra] It Is Forbidden / Sun Ra and his Intergalactic Arkestra at the Ann Arbor Blues & Jazz Festival in Exile 1974
これが最後にかけた1974年の暴走ライヴ。いいから黙って買え。そして聞いて泣け。John Sinclair(The Beatlesも曲を捧げたAnn Arbor Festivalの仕掛け人)が書いたライナーも必見。
とはいえ、Sun Raにしてもこのテンションは異常なので、もう少し平均的というか普段着のライヴを聞きたい向きは1984年ギリシャでのライヴLive At Praxis '84(CDなら二枚組)を探すとよいでしょう。緊張感こそないが温かい祝祭的雰囲気に包まれた楽しい音楽です。しかし生で見たかったなあ。
_ TrackBack [http://studio-oice.cocolog-nifty.com/yutalog/2004/09/live_..]
2003-09-29 ねむい [長年日記]
_ [OpenSource] クリエイティヴ・コモンズに関する悲観的な見解
後半は今晩家に帰ったらもう少し手を入れようと思っているのでなんですが、別に論旨を大きく変えてしまうことにはならないと思うので公開。Debian 10th BOFでも予告した、クリエイティヴ・コモンズに関する悲観的な見解。
たぶん、私自身勘違いをしていることが多いと思うので、いろいろコメントをしていただけるとありがたいです。
_ [OpenSource] 憂国の士を憂う
まあオープンソースとはあんまり関係ないわけですが、
。というか俺を笑い死にさせるつもりですかこの野郎(逆ギレ)。
結局、勉強不足に加えて問題(というか概念)の切り分けができていないわけで、どうしようもない。文系理系とかより問題を切り分けられるか切り分けられないかで人間区別できるのではないか、と思う今日このごろ。しかしこういう人が政策立案をやるというのは、かなり困ったものだ。
ちなみに大前研一の弟子らしい。。こういうのを見ると、民主党の将来も比較的暗いような気がしますよ。
_ q [ポモってまだ言いつづけてんのか(笑)]
_ mhatta [ポモはポモだろ というかちみの掲示板はどうなったのかね]