2004-09-10 [長年日記]
_ [Reading] ボブ・ディランの自伝が出るらしい
たまたま気づいたのだが、10月にボブ・ディランの自伝が出るようだ。数年前から、出る出るという話だけは出ては消えしていたのだが、今回は本当みたい。これまであのおじさんはキャリアに関して(半ば確信犯的に)嘘ばっかりついてきたので、どういう中身になるか興味深い。
今度出るのは第一巻でまだ続きがあるらしいので、邦訳は出るとしてもずいぶん先のことになりそうだ。中山康樹さんあたりがやるのかな。
_ [Music] About Time / Steve Winwood
これはとても良いアルバムなのだが、ぱっと聴きには多少地味なので、何度か聴かないと本当の良さは実感できないかもしれない。スルメのようなものです。その代わり、いったん味を占めてしまうとなかなか飽きが来ない。
基本はウィンウッドに加えギターとドラムスだけ(曲によってカール・デンソンらがゲストで入る)というシンプルな編成で、結果として久しぶりに御大のオルガンがたっぷり聞ける(珍しくベースも足でやっている)のが何よりもうれしい。ティミー・トーマスのWhy Can't We Live Together (最近だとジョーン・オズボーンとか、一昔前ならシャーデーもカバーしていた)が泣ける。ちなみに私は持っていないのだが、どうもThe Expanded Editionというのがオフィシャル・サイトで売られているようで、これには同曲のライヴ・バージョンがボーナスとして入っているらしい。欲しいよう。
この日記を読んでいるような人には関心がありそうな話題をひとつだけ付け加えておくと、P2Pを使って宣伝したらこのアルバムの売り上げが最大8倍にも伸びたという話があった。ウィンウッド・クラスの大御所でも最近ではあっさりメジャー・レーベルに切られる(あるいはまともなプロモーションがしてもらえない)ようで、このアルバムも元は自分が興したインディー・レーベルから出したのだが、先に述べたようにこの種の音楽は、性質上とりあえず聞いてもらえないと良さも分かってもらえないという部分がある。それが、P2Pを使った伝播でうまく補われたということなのかもしれない。どうせめちゃくちゃ大ヒットするような類の音楽ではないし。