2015|08|
2010-05-19 [長年日記]
_ [Jazz] Groovin' High / Hank Jones
死んだから聞くというのもひどい話だが、昨日からハンク・ジョーンズの作品のいくつかを携帯音楽プレーヤに落として聞いている。元々ハンクは平均点の高い人ではあったが、とりわけ70年代の諸作は水準が高く、企画は適当でも何かしら聴きどころがある。
これは1978年のクインテット録音だが、あまり兄弟とは共演しなかったハンクにしては珍しく、弟のサド・ジョーンズがコルネットで加わっている。アレンジもサドが手がけたようで、Anthropologyのディソナントなヘッドやボサノヴァ調のSippin' At The Bell'sなど、いかにもサドらしいひねりまくった編曲がおもしろい。
ただ、本当の聴きどころはサド、ハンク、そしてドラムスのミッキー・ローカーというベース抜きの変則トリオによるタイトル曲だ。この編成、ハンク自身はかつてベニー・グッドマンのサイドマンをやっていたときに経験があったようだが、ベースがいないとピアノ(の特に左手)への負担が大きくなるので、凡百のピアニストではなかなか音楽の流れや緊張感を維持できない。もちろんハンクは、例によっていかにも昼飯前という感じにサラッとこなしている。すごいなあ。