2015|08|
2006-11-12 [長年日記]
_ [Music] Music For Two / Bela Fleck & Edgar Meyer
バンジョーというとなんだか古くさいイメージがあるが、ベラ・フレックはバンジョーをブルーグラスやジャグバンドといったジャンルに縛り付けず、完全にギターと同列の一楽器として扱っている。なのでジャズでもファンクでもクラシックでもなんでも弾いてしまう。それだけなら大したことはないが、ノベルティと言うに留まらない音楽的成果を挙げているところが凄い。歴史をたどればバンジョーは三味線の遠い親戚なのだが(ほんとにそうなのです)、純邦楽以外の分野への三味線の進出があまり特筆すべき成果を生んでいないことと比べると、この人の偉さが際立つと思う。
このアルバムはベースのエドガー・メイヤーと組んだデュオのライヴ盤で、メイヤーもとんでもないテクニシャンだ。ピアノも結構うまい。2002年にRMSと同じマッカーサー財団のフェローシップを受賞しているくらいの人である。バカテクな人というのは結局早弾きができる自分に酔っているだけで、音楽としては曲芸という以上の深さは無いことが往々にしてあるのだが、この二人の場合超絶技巧がきちんと表現に奉仕している。なにせレパートリにバッハとマイルズ・デイヴィスが共存しているくらいでカテゴライズの難しい音楽だが、単純におもしろいのでクラシック・ファンもジャズ・ファンもロック・ファンも是非聞いてみてください。