2015|08|
2012-01-15 [長年日記]
_ [Jazz] Free For All / Art Blakey
このところあれやこれやと疲労が溜まっていたようで、仕事をする気にもなれずどうも冴えないのだが、そういうときにはガツンと来る音楽が聞きたくなる。で、真夜中にも関わらず大音量で(もちろんヘッドホンです)これを聞き始めたが、やっぱすげえすよ。
フレディ・ハバードのトランペット、カーティス・フラーのトロンボーン、そしてウェイン・ショーターのテナーサックスという強力な三管編成のジャズ・メッセンジャーズは、このアルバムを吹き込んだ直後にハバードが抜けて終わるのだが、そういう事情もあってか、ここではまさしく最後の大爆発というような体の熱演を繰り広げている。はっきり言えばブレイキーは何らかのクスリの影響下にあると見えて、1曲目などは明らかにノリがおかしい(拍が裏返ってフロントが戸惑ったかのように聞こえる瞬間もある)のだが、なんというか、そんな細かいことはどうでもよい叩きまくりの迫力に圧倒される。背後からブレイキーに煽られまくったショーターもものすごい熱演で、途中はほとんどテナーとドラムの二者だけによる果たし合いという風情すらある。他の曲も決して悪い出来ではない(むしろものすごく良い)のだが、個人的にはこの1曲目だけでおなかいっぱいです。ジャズに何の関心も無い人が聞いても、なにがしかのインパクトはあると思う。