2011-05-08 [長年日記]
_ [Jazz] The Coleman Hawkins Album Vol. 1 & 2
コールマン・ホーキンスの熱烈なファンというのが日本ないし世界にどれくらいいるかは知らないが、少なくとも私は結構好きだし、良く聞いている。といってもビバップ期以降のホーキンスの作品は御大ホークよりもサイドマンが聞きどころみたいなところがあって、そうすると別にホーキンスがリーダーじゃなくたっていいじゃんということにもなるのだが、やはり御大がでーんと構えて辺りを睥睨しているからこそ、周囲も引き締まった良い演奏をするという効果があったんじゃなかろうか。
これはホーク晩年の1960年のいつかに録音、発表されたアルバムで、どうも1月末らしいのだが、具体的な日付はよくわからない。私が持っているのは15年くらい前にジムコから出ていた日本盤で、「The Coleman Hawkins Album Vol. 1 & 2」というタイトルの一枚物CDだが、フレッシュサウンド(とその日本盤がDIW)からThe Hawk Swingsというタイトルで出ていたような気もするし、他のレーベルからもCDが無秩序に出ていたような覚えがある。原盤はCrownという廉価版専門のレーベルで、本来は「Coleman Hawkins」と「The Hawk Swings」という二枚のLPに分かれて発売されたものらしいが、そのへんもよく分からない。実は別テイクも結構あるらしく、セッションテープもジムコが出したときに発見されたらしいのだが、その現在のゆくえは不明である。
と、データ的には分からないこと尽くしではあるのだが、メンツに関しては別に分からないことはなく、誰がどう聞いてもエディ・コスタのごりごりうなるピアノとサド・ジョーンズの軽快で伸びの良いトランペット(とたぶんアレンジ)が冴えまくっていて、もうそれだけで良い気分みたいなところがある。特にコスタのピアノがソロもバッキングも最高なので、そこだけ注目して良く聞いた。加えてボトムをジョージ・デュヴィヴィエのぐんぐん弾むベースが支えているので、安定感が抜群。やはりホーキンスのリズムへの乗り方は、彼らのようなビバップの洗礼を受けた連中と組むと今ひとつうまく調和しないのだが、これだけがっちりしたリズム・セクションが付くと、そんなのは全く気にならないのだった。相当リハを重ねたのか、オシー・ジョンソンのドラムスもビシビシ切り込んでいて、これまた気持ちがよい。