2015|08|
2008-08-15 [長年日記]
_ [Music] Living Soul & On Basie's Bandstand / Richard Groove Holmes
そもそも曲調からして可憐で爽やかな『イパネマの娘』や『虹の彼方に』を、どう演奏すれば原曲の味を保ったまま暑苦しくできるか、これは困難な課題だが、それに見事な解を出してみせたのがここでのリチャード・グルーヴ・ホームズだ。まあ、オルガンで弾けばよほどひねらない限り何でも暑苦しくはなるわけですが…。
1966年、今でいうとニューヨーク市立大があるあたりにあった「カウント・ベイシーズ」でのライヴ。この人のアルバム名には何とかソウルとかソウル何とかというパターンが多いのだが(最初にヒットしたアルバムがSoul Message(Richard "Groove" Holmes)だったからだと思う)、ライヴ盤だからリヴィング・ソウルという、大変安直なタイトル付けがまず素晴らしい。サイドメンも手堅い演奏で申し分ない。異様に盛り上がって手拍子だの奇声だのを飛ばす観客の反応も暑苦しさに拍車をかけている。
このCDには5曲収録されているが、この日は全部で19曲収録したらしい。残りの一部は数年前、On Basie's Bandstand(Richard "Groove" Holmes)として日の目を見た。こういうジャケットを見て購買意欲がそそられるかどうか、そこであなたの人間力が試されるのである。