2015|08|
2007-07-10 [長年日記]
_ [Music] Taylor's Wailers / Art Taylors
ジャズにおけるドラマーのリーダー作というのも、ベーシストのリーダー作と並んでなかなか微妙な存在だ。アート・ブレイキーやエルヴィン・ジョーンズのような例外的存在を除けば(いや除かなくてもいいかも)、大体はドラムソロばかり目立つ大味なものになるか、そもそも誰がリーダーなのかよくわかりませんというような没個性的ジャムセッション風のものになりがちである。
このアルバムも御多分に漏れずというか後者に近い性格の作品で、アート・テイラーがリーダーである意味というのは特に無いのだが、ドナルド・バードにマクリーンはともかく、テナーでチャーリー・ラウズが入るというありそうであまり無い不思議な取り合わせのフロント。ピアノもレッド・ガーランドかなーと思いきやレイ・ブライアントというこれまた少しプレスティッジの定石からは外れた人選だ。曲もメンツを反映してか、モンク作品が2曲入っていたり、レイ・ブライアントの名曲Cubano Chantをやっていたりと、ちょっと毛色が違った雰囲気が楽しめる。
2曲めだけなぜかコルトレーンがテナー、ピアノがレッド・ガーランドというワンホーン・カルテットの演奏だが、まあこれはどうでもいいです。別に出来が悪いというわけではないけれど。