2007-07-11 [長年日記]
_ [Music] Mirrored / Battles
このBatllesというバンドについて予備知識は全く無く、でも益子さんが言及するくらいだし(たぶんこの最新作のことだと思うんだけど)、例によってニューヨーク・ジャズ若手風に辛気臭い神経質で繊細な感じなのかなあと偏見丸出しで臨んだのだが(怒らないでね)、51分57秒、頭からしっぽまで激しいリズムでガンガン来るタイプの音楽でなかなか楽しめた。いわゆるジャズの肌触りとはちょっと違っていて、どっちかというとそうですね、ハードコア・ポストロックというか、ある種のプログレとか、ある時期のザッパ作品のような感覚が強い。リズムのブレから生まれるグルーヴ感というかルーズなノリみたいなものは希薄で、私のようなズボラな人間にはちょっと堅苦しさが勝る印象はあるが、オリジナリティのある面白い音楽だと思う。名前からもしかして…と思って調べてみたら、ギターを中心にキーボード、ヴォーカルも担当するチョンダイ・ブラクストンというのはやはりアンソニー・ブラクストンの息子のようだ。彼のヴォーカルの使いかたもなかなかうまい。
ただ、別にこの作品に限らないんだが、どうもこの手の音楽は四六時中最高潮というか、一曲の中でのメリハリみたいなものが無くて単調に陥りやすいような気がしてならんのです。クラブとかで踊るぶんには全然気にならないんだけどね(というかこういうもののほうがいい)。ライヴだともっといいんだろうな。
全然怒らないけど、人の固定観念というのは恐ろしいもので、私だって四六時中辛気臭いものばかり聴いているわけではないのですよ(自分では辛気臭いとはまったく思っていないけど)。で、Battlesですが、メリハリあると思うけどなぁ。まぁ、今年のフジ・ロックの目玉でもあるし(私は行きませんが)、9月には単独公演もあることだし...
それから、こういうのはMath Rock=数学的ロック、というらしい。何でもジャンルを細分化すればいいという風潮は如何なものかと思うが、なかなか言い得て妙な部分もあり...
9月に来日するのか、行きたいなあ。それにしても数学ガールとか数学ロックとか、世知辛い世の中ですねー。
を、Battles 9月に単独公演あるのか。それは観ねば。<br>Mirror はなんか色気付いてしまった感もあって、ちょっと複雑な気分。B EP / EP C の方が個人的には好きです。<br>The Wire 誌に2年くらい前に紹介記事が載ったとき、Tyondai<br>がAnthonyの息子だという件についてスルーして、John Stanierを前面に出した内容で、あの雑誌にしては意外と思ったりしましたが、ま、ex-Helmetの Stanier のグループ、というのが、表現の文脈という点でも妥当なところでしょー。