2007-02-19 [長年日記]
_ [Reading] R. Crumb's Heroes of Blues, Jazz & Country
アメリカの漫画家、ロバート・クラムの日本における知名度はほぼ皆無に等しいと思うが、ジャニス・ジョプリンのチープ・スリル(ジャニス・ジョプリン)のジャケットを描いた人と言えば、あああれかと思う人もいるだろう。私は未見だが、日本でも柳下毅一郎さんが編纂したロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with women(ロバート・クラム/柳下 毅一郎/Robert Crumb)という作品集が出ているようだ。ちなみにアメリカン・スプレンダー [DVD](シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ)で一山当てた負け犬漫画家ハーヴェイ・ピーカーが世に出るきっかけを作ったのはクラムである。クラム自身の半生に関してもクラム [DVD](ロバート・クラム/アリン・カミンスキー/ドン・ドナヒュー/デイヴィッド・リンチ/デヴィッド・ボーディンハウス)というドキュメンタリーが作られ、サンダンス映画祭で賞を得るなど評判になった。うかつに見るとトラウマになると思います。
ところで、前述の日本出版の作品集に関するAmazon.co.jpのコメントは、たぶん山形浩生さんが書いたんだと思うが、なかなか言い得て妙である。
爽快感、なんてほとんどない。自分や世間やその他すべてに対する、悪意にすらなりきれないわだかまりがとぐろをまく作品集。醜悪で、グロテスクで、自分のことばかりひたすらグチをたれるだけの、評価すべきところのまったくない名作の数々!
まあ確かにおっしゃるとおりで、クラムにはこういう自虐的で救いの無い作品が多い。絵のタッチも独特なので、生理的に受け付けない人も多いだろう。屈折しきった昏いユーモアこそがクラム最大の武器なのでしょうがないのだが、これだけだとなんだか気持ち悪いだけの変なオッサンのように思われるかもしれない。実際変なオッサンなのでどうしようもないのだが、一方でクラムには(そしてピーカーにも)世界的に名を知られた戦前のSPレコードのコレクターという音楽マニアとしての面がある。そういった方面の仕事はどれも比較的ストレートで、この手の音楽への愛情発露に、変なものの蒐集に取りつかれてしまった自分への自嘲が薬味のように効いてうまくバランスをとっているようだ。これなら誰にでも受け入れられるだろう。
最近出たこの本は、クラムがトレーディング・カード(!)用に80年代初頭に描いたブルーズやカントリー、初期のジャズなど戦前アメリカ音楽で活躍したミュージシャンたちの肖像画を、まとめて一冊の画集にしたものである。どれもよく知られた写真をベースにした絵で、そのミュージシャンに関する簡潔な解説も添えられている。おまけとしてYazooの豊富な音源を活かしてクラム自身が編纂した21曲入りCDまでついてくるので、この手の音楽のちょっとした入門にもなるのではないか。ちなみに絵にしろCDにしろクラムのマニア魂が大いに発揮されていて、まあメジャーな人もいるけど大体はおそろしくマニアックな人選です。
ちなみに、コールマン・ホーキンズの絵とされているものはどう見てもアート・テイタムの有名なポートレイトを元ネタにしていると思うのだが、どうしたんだろうなあ。勘違いかしらん。
もう一点印象に残ったのは、Printed In Chinaだったこと。こういう本も最近は中国で印刷するんだなあ。
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