2003-08-13 Mellow Yellow
_ Anthyで快適生活
いろいろ教えていただいた甲斐あってほぼストレスなくAnthyが使えるようになった。なんでも噂ではATOK X同様Wnn6もダメになった(ちなみに一連の問題について詳しい話はここ)そうだが、そういう方は私といっしょにAnthyに改宗して(やや)幸せになりましょう。
ただ、たまにキタ━━━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━━━!!とか(´・ω・`)ショボーンとか(゜д゜)ウマーとか、なんかとてつもない変換候補が出てくるので仰天する。これがあの2ちゃんねる語というやつか!とカマトトを気取ってみたりして。つか辞書分割できんかのう。
あと、libanthy-devは要らなくなったんだけどjmode 0.6.7-1がlibanthy0 (>= 4331)に依存していてインストールできないので、ばっさり消してしまう。XIM クライアントはuim-ximでとりあえず十分。
2006-08-13 R.I.P. Duke Jordan (1922-2006)
_ [Music] Barney / Barney Wilen
ジャズ・ピアニストのデューク・ジョーダンが亡くなったそうだ(UPIの記事)。84歳。終の棲家はコペンハーゲンでしたか。
この人も典型的な伴奏者向きのプレイヤーで、別にリーダー作に良いものがないというわけではないのだが、それでも他人のワキに控えているときのほうが光っていたような気がする。世間的には、やはり絶頂期のパーカー・クインテットで(マイルズにいびられつつも)ピアニストを務めたという経歴がキャリアの頂点と見なされるのだろうが、個人的には、ジョーダンの生涯におけるベスト・プレイはこのバルネ・ウィランのアルバム、とりわけLady Birdにおけるソロだと思う。とりわけ中盤、ブロックコードを使い始めてからの、アイデアが泉のように湧き出てもう手が付けられないという感じがたまらないのです。イントロ作りの名人の名に恥じない素晴らしいイントロも忘れがたい。
_ [Music] Star Eyes / Chet Baker
一つ前のエントリを書いていて思い出したが、これもまたジョーダンが参加したことで全体がぴりっと引き締まった好例だと思う。トランペットにピアノとベースというドラム抜きの変則トリオ編成、しかも一曲が平気で10分以上という長尺ばかりなので、三人の演奏者がよほどしっかりしていないと間の抜けた感じに聞こえてしまうのだが、押さえるべきところを押さえているのはジョーダンの案外ごついピアノだ。トランペットも吹ける歌手、という程度に軽く見られがちなチェットの、トランペッターとしての圧倒的な凄みが存分に味わえるアルバムでもある。
_ [Music] Two Loves / Duke Jordan
まあ、一枚くらいはリーダー作も挙げないとなんか申し訳ないような気がしたので、これを。特にタイトル曲のTwo Lovesが良い。ソロなのだが、なんとも言えず良い曲です。作曲家としても(しては?)一流でしたね。
どういうわけか、最近のAmazon.co.jpではSteepleChaseのCDの大半が、新品で注文できなくなっているようだ。しょうがないので紙ジャケで出た限定盤のページにリンクしたが、現在では中古扱いで約18000円とかいうべらぼうな値段が付いている。本家Amazon.comならばはるかに安く手に入るので、焦って変な業者から買うことはない。そもそも、あのレーベルは私が知る限りではどんなCDも絶対に廃盤にしないので、慌てる必要はないです。在庫がないと注文から届くまで時間はかかるけど。
2007-08-13
_ [Music] Live at Cafe Montmartre 1966 / Don Cherry
最近唐突に復活したESP-Diskの新譜。といっても新録ではなく、かつてはMagneticレーベルから出ていたブートのオフィシャル化(?)だ。ジャケット・デザインのセンスはブートとどっこいどっこいですけれども。
内容はと言えば、名作Complete Communion(Don Cherry)の録音直後、デンマーク・コペンハーゲンの名門クラブ「カフェ・モンマルトル」で行ったライヴ。Complete Communion(Don Cherry)はカルテット編成だったが、ここではヴァイヴのカール・ベルガー(彼はSymphony for Improvisers(Don Cherry)等にも入っていましたね)も加わったクインテットでの演奏である。レパートリーも、ブルーノートにおける前掲の2作や、アーチー・シェップらとArchie Shepp & The New York Contemporary Five(Archie Shepp)で演っていたオーネットの曲などを(断片的に)取り上げている。
テナーがガート・バルビエリなのはComplete Communion(Don Cherry)と変わらずだが、ドラムスはフランス人のアルド・ロマノ、ベースは当時「カフェ・モンマルトル」のハウス・ベーシストだったデンマーク人のボー・スティフと、リーダーのチェリー以外は完全に非アメリカ人で固められたバンドになっている。全部で48分弱。デンマーク・ラジオの放送用マスターが元なので、一部アナウンス等も入っているが音質は大変良い。リマスターの効果か、かなり生々しい音とすら言える迫力だ。
一曲の中にいろいろな曲のテーマを詰め込んでインプロヴィゼーションの種にする、という方法論をこの時期のチェリーは採っているのだが、冒頭飛び出して来るテーマが実はオーネットのAt the "Golden Circle" in Stockholm, Vol. 1(Ornette Coleman)の1曲目Face and Placesだったりして、なかなか面白い。Archie Shepp & The New York Contemporary Five(Archie Shepp)と同様、フロントはフリーに吹きまくる一方、リズム・セクションはあくまでがっちりと4ビートをキープしているし、またフロントにしても実は非常にメロディアスなアドリブなので、フリージャズにアレルギーのある人でも違和感無く楽しめるだろう。というか、特にロマノががんばっているおかげで、これはかなり強烈にスイングする音楽である。伸縮自在のバックに支えられて自由に吹きまくるチェリーとガルビエリの音が気持ち良い。
私はチェリーの音楽に対する姿勢が好きだ。いわゆる「ワールド・ミュージック」に接近した(というかチェリーこそが先駆者なのだが)晩年のフュージョンぽい作品もよく聞いているが、やはりこのあたりの、ジャズの根っこは保ちながらもガチガチの黒人至上主義やひとりよがりのフリーキー・ジャズには陥らず、ナチュラルな歌心を頼りに行く先々のミュージシャンと共演を楽しみ、音そのものから自由でノンシャランな空気が立ちのぼるような演奏に愛着がある。発掘は素直にうれしいです。
2008-08-13
_ [Music] Legends of Acid Jazz / Johnny "Hammond" Smith
暑くてどうにもならんので、あえて暑苦しい音楽を聞こうと思いこれを引っ張り出した。1969年録音のLP2枚『Soul Talk』『Black Feeling!』をカップリングしたもの。再発CDのジャケデザインもいかがなものかとは思いますが、オリジナルはもっと暑苦しいです。
とりあえずバーナード・パーディがダチーチーチーとドラムを叩いているだけで個人的には幸せいっぱいなのだが、他の皆さんもけなげに頑張っている。ジミー・ルイスのエレキベースがうねりまくる後半6曲(『Black Feeling!』に相当)のほうが個人的には好みだが、ハモンド・スミスのオルガン・プレイは音色も含めて前半のほうが冴えているような気がしないでもない。まあ、一応リーダーとは言えハモンド・スミス自体は割にどうでもいいと言えばどうでもいいのですが。
サックスのラスティ・ブライアントはいつものようにテナーとアルトの二刀流でビシビシと吹いていて最高なのだが、ここではさらに飛び道具のヴァリトーン(電気サックス)まで繰り出して暑苦しさに拍車をかけている。実のところヴァリトーンてどんなものだか今まで知らなかったのだが、こんなものらしい。仕組みはともかく、この手の音楽でダブついたような浮ついたような妙に暑苦しい音が聞こえたらこれを使っていると見て間違いないのである。技術的イノベーションがまったく表現内容の向上に役立っていない好例と言えよう。