2008-06-16 [長年日記]
_ [Movie] 007 ダイヤモンドは永遠に
白状すると私は007ものの映画を今まで一本も見たことがなかったのだが、先日ひょんなことからこれを見る機会があった。何せ30年以上前の映画だけに、今から見れば随所にちゃちな場面はあるものの、テンポの良さと気の利いたセリフ回しに感心した。007はスリルとサスペンス(とお色気)のアクション映画だとばかり思っていたが、これはどちらかと言えば非常に上質なコメディである。単につまらないのをゲージュツ的だなんだと言ってごまかすことができない時代だけに、今の大多数の映画とは鍛え方が違うと思った。チョイ役なんだがラナ・ウッドがエロくて最高だ。あと、ゲイの殺し屋カップルの片割れ(てっぺんハゲで長髪のほう)を演じるプター・スミスは、どこかで見たような顔だと思ったらモーズ・アリソンやアラン・ブロードベントと共演していたジャズ・ベーシストだった。セロニアス・モンクのバンドでベースを弾いていた時にスカウトされたらしいが、この殺し屋二人の人物造形がまた素晴らしい。
ところで、話の終盤ボンドが石油掘削基地の倉庫(?)から逃げ出して、基地の底をロープ伝いに渡るというシーンがあるのだが、どこかで良く似たシーンがあったなあと思ってつらつら思い返してみると、天空の城ラピュタ [DVD](宮崎駿)の終盤でパズーがラピュタの底をツタ伝いに渡ってロボットの射出口まで行くシーンとそっくりである。そうか、このへんにも日本アニメの源流があるんだなあと思った。まあ、両方が参考にした、真の元ネタが別にあるのかもしれないが…。