2008-05-02 [長年日記]
_ [OpenSource] G15アソシエーション
というものができて、私もメンバの末席を汚すことになった。そのうち何か記事を書くかも。
G15の設立は我々ある種の当事者にとっては重要なことなのだが、おそらくこの日記の読者の90%くらいには今も今後も関係ない話である。それはそうと脚本主演演出なmrmt先生に感謝。
_ [Music] Jazz / Jazz Live
今となっては知っているのは物好きなオッサンだけだろうが、昔The Theという名前のバンドがあった。私はオッサンではないが物好きではあるので、Infected(The The)なんかは今でも好きでよく聞いている。
で、これをいざCDで買おうとすると、ちょっと前までは大変だったのである。探すのが大変だったんだが、その理由は廃盤でレアだからとかではない。「The The」じゃ単語としてあまりに当たり前すぎて、Amazon.co.jpだと検索に引っかからなかったのだ。今は一応検索キーワードをクォートでくくると引っかかるようになったようだが、全く不便な話である。
日本産ながら、同じような問題を抱えているのがこのアルバムだ。サックスの清水靖晃が中心となって結成されたグループの、1982年今は亡き六本木ピットインにおけるライヴ盤なのだが、グループ名が「JAZZ」、そしてアルバムのタイトルが「Jazz Live」なのである。当然こんなキーワードでは検索できないし、Amazon.co.jpでは、なぜか清水の名前では引っかからない。そんなわけで、そもそもこれがCD化されていることに気がついている人はかなり少ないのではないか。もちろん私はつい最近まで気づいていませんでした。
内容としては、何と言うか、いかにも1980年代というか、「メタジャズ」「ポストモダン・ジャズ」というような形容が見事に当てはまるもので、第三者的、批評的な視線を強く感じる。このような醒めた音の感触そのものはジョン・ゾーンのSpillane(John Zorn)あたりにとても近いのだが、あれやネイキッド・シティのようなコラージュ/コンデンス・ミュージックではなく、やっていること自体はフュージョン(というかステップス)ぽいとは言え普通の4ビートジャズである。そもそもライヴだし、演奏そのものは熱演といっても良いくらいなのだが、どこか「姿勢としての」クールさを感じるということなのだ。「チュニジアの夜」や「オール・ザ・シングス・ユー・アー」のような大スタンダードをあえて取り上げていることから見ても、このような空気は意図して醸し出されたものなのだろう。なお、菊地成孔さんの東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編(菊地 成孔/大谷 能生/飯野 友幸/野田 努/大友 良英/濱瀬 元彦/本條 晴一郎)を読んだ人にとっては、あの本の最後のほうで自らの音楽理論、あるいは理論というものそのものについて熱く語っていたラング・メソッドの濱瀬元彦氏が自作曲を提供する一方、ジャコパスばりにフレットレスベースを弾きまくっているという点がちょっと興味を引くかもしれない。加えてキーボードを弾いているのは、後年スピッツやPUFFYのプロデューサーとして名を成した笹路正徳である。
決定的な距離感があるのはわかるが、それが即「メタ〜」とか「ポストモダン〜」にはならないのではないか、と思うのですが。それはともかく、「Solar」の作曲者の件を早くツッコんでください。よろしくお願いします。
それから、八田さん的にはマライア(勿論、日本のほうね)はどうなの? あと、例のMLもよろしく。