2007-06-30 [長年日記]
_ [Music] Visitation / Sam Jones
これも70年代ヒノテル物件。一応ベースのサム・ジョーンズがリーダーということになっているのだが、元来地味な人だけに自分のリーダー作だからといって前面にしゃしゃり出るということもなく、売出中の若いフロント二人(日野とボブ・バーグ)を手堅くサポートしている。ピアノはロニー・マシューズ、ドラムスにはアル・フォスターというなかなかの陣容。
とはいえ、スティープル・チェイス原盤でベースがリーダーでしかもメンツは実力者と言っても地味な人ばかり、というどう考えても売れそうに無いアルバムなのだが(私はとあるCD屋の在庫整理で新品を500円で買った)、これは本当に掘り出し物だった。ちなみにこのバンドのメイン・レパートリーはトランペッター、トム・ハレルの作品だったようで、これがまた良い曲ばかりなのだ。1曲目などはまさに勢いのあるトランペット向きの曲で、ヒノテルも存分にコルネットを吹きまくっている。ボブ・バーグも吹きまくり野郎なのでちょうどいい塩梅だ。4曲目のボサも軽くて甘くてしかもソロは全員よく歌っていて素晴らしい。ウディ・ショウのSweet Love of Mineもそうだが、御多分に漏れず私もこういう曲調に弱いのです。
それにしても、今から思えばこの時期の日野皓正は間違いなく当代一流の人々と共演していたわけで、ほんとに偉かったのですねえ。