2006-12-25 [長年日記]
_ [Music] The Gospel Soul of Houston Person
去年も一昨年も同じようなことを書いていたような気がするが、世間はやれクリスマスイヴだクリスマスだと騒いでいても、私にはそんなものは無いのである。ヴァン・モリスンではないが、I've been workin', I've been workin' so hardなのである。結局こんな時間までせっせと講義資料を作っていたりするわけですよ。しかも終わりゃしねえ。
それはそれとして、BGMくらいは何かクリスマスらしいものにしようと思い、これを引っ張りだした。気っ風の良い吹きっぷりで知られるテナーサックスのヒューストン・パースンが、聖歌隊だのオルガンだのを従えて大いにゴスペルをかましまくった一枚である。まず原盤がサヴォイというのがいいやね。パーカーのせいでジャズ者にとってはビバップのレーベルという印象が強いサヴォイですが、元はと言えばあそこはゴスペルの老舗だったのだ。そして、例によってサックスを吹くというよりはサックスで歌うというのがふさわしい、パースンならではのエモーショナルな節回しがそこかしこで炸裂している。漢だな。
正直私はあんまり宗教心のある人間ではないのだが、宗教音楽は結構好きだ。むかしアメリカの片田舎に住んでいたころは、ケーブルテレビにどう見ても正統的じゃないキリスト教(のようなもの)専門のチャンネルがあって、一日じゅう説教とゴスペルを流していたものだ。そうかああやれば人間て煽れるんだなとかろくでもないことばかり学びました。
まあ、いくら廃盤だからと言って1万円とか大枚はたいて買うようなものではないと思いますが、中古屋で安値で見付けたらお試しあれ。