2006-12-01 [長年日記]
_ [Music] Cat 'n' Mouse / John Abercrombie
先日取り上げたボビー・ハッチャーソンのアルバムにも参加していたギタリスト、ジョン・アバークロンビーの近作。といっても、出たのは2002年だからもう4年も前になるのか。ギタートリオ、プラス、マーク・フェルドマンのヴァイオリンという若干変則的なカルテット編成だが、ベースがマーク・ジョンソン、ドラムスがジョーイ・バロンと現在これ以上は望むべくもない人たちなので、出来は保証されたようなものだ。
このアルバムの良いところを言葉で説明するのはとても難しい。「聞いて気持ちが良い音」というのが一番適切な形容のようにも思う。それでも無理に説明を試みると、少なくとも「曲が良い」とは言えると思う。すべてアバークロンビーが書いたようだが(5曲めと8曲めはフリー・インプロ)、印象的なメロディを持つ一方でどれも趣向にひとひねりある。曲によっては結構踏み込んで無茶をする局面もあるのだが、全体としてはあくまで抑制が利いている。クールに狂っているという感じ。ジョーイ・バロンが良いのはいつものことだが、フェルドマンのヴァイオリンが実にかっこいい。ジャズ・ヴァイオリンを良いと思ったことはあまりないのだが…。
あまり話題にならないが、個人的には2000年以降に出たジャズのCDの中では一、二を争う傑作ではないかと思っている。プログレやピアソラが好きな人にもウケるんじゃないでしょうか。
八田さんがこういうのを好きとは知らなかった。今日帰ったら聴いてみようっと。
こういうの*も*好きですよ。
久しぶりに聴きましたが、コイツはいいですね。次作の"Class Trip"より断然いい。一、二を争うとは思わないけど。
というか、このくらいのクオリティの作品は、70〜80年代のECMにはウジャウジャあったような気が。なんだかなぁ。
今はもう2000年代ですから。