My Human Gets Me Blues

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2003-10-13 すごいすごいすごい

_ [Music] Joe Zawinul & The Zawinul Syndicate@Blue Note Tokyo

某所で「来日中のザヴィヌルはとんでもなくすごい」という噂を聞きつけたのだが、なにせ彼はもう70だ。私はWeather Reportの熱烈なファンでもないし、そもそもじじいなので大したことはあるまいと思っていたのだが、いずれにせよ東京では今晩しかやらないとのことなのでのこのこ出かける。

ブルーノート東京は基本的に学生だと半額の4000円で見られる(ただし立ち見)。それを狙って行ったのだが、なんとあれは月から木のウィークデーのみのサービスとの由。その場で帰ろうとも思ったのだが、青山くんだりまで来てしまった以上そのまますごすご帰るのも業腹なので、思い切って8400円(消費税込み)払った。ちなみに財布の残金はこの時点で2000円くらいで、1ドリンク必須なので結局2000円を切ることになる。後でこの誤算が効いてくるとは。

すごかった。ライヴで感動したのは久しぶりだ。とんでもないノリ。完成度。もうね、何といいますか、たまりません。筆舌に尽くしがたい。ザヴィヌル以外は無名の人ばっかりなのに。見られなかった人は不幸だと自信を持って言える。というか、なんでこういうのをCDにしないんだ。

帰りは後藤雅洋さんや須藤克治さんといっしょに、すごいすごいすごいとうめきながら表参道の駅まで歩く。ザヴィヌル先生、恐れ入りました。

_ [Life] ささやかな冒険

ここまでは意気揚々、上機嫌だったのだが、渋谷に出て吉祥寺から帰ろうと思ったのが失敗だった。このような場合吉祥寺から家までは深夜バスを利用するのだが、日曜日は深夜バスがない。

そんなこととは知らなかったので呆然とする。普段は吉祥寺まで自転車で来るのだが、夜中に雨が降ると思っていたので今日は行きもバスだったのだ。タクシーを拾おうにも、残金が1000円くらいしかない。無理だ。

しかたなくとぼとぼ6kmくらいある道のりを歩き始めたのだが、途中で絶望感に苛まれてりんごジュースを買って飲んだ。これがまずかった。急激に腹が痛くなってきた。

以降ローカルな地名で恐縮ですが、武蔵関の近辺はどういうわけか便所のあるコンビニがない。ましてや公衆便所もない。人間はおもしろいもので腹が痛いとなぜか競歩のような歩き方になる。たいしてスピードは変わらないのだが。しかしここであきらめると森本さんの二の舞なので必死に耐える。

どうにか石神井台まで戻って来て、24時間営業のデニーズに駆け込んだ。便所に行って落ち着いてから注文すればよかったのに、なぜか「チョコレートケーキ」と口走ってしまう。戻って来ると山盛りのケーキが。

というわけで、朝の2時に石神井台のデニーズで、半分泣きながらチョコレートケーキを食ってる救いがたい馬鹿を見掛けた方、それはたぶん私です。


2008-10-13

_ [Rant] ノーベル経済学賞はポール・クルーグマン

The Age of Diminished Expectations: U.s. Economic Policy in the 1990s(Paul R. Krugman)

クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)(ポール クルーグマン/Paul Krugman/山形 浩生)

International Economics: Theory and Policy(Paul R. Krugman/Maurice Obstfeld)

まあ、どうせそのうち取るだろうとは思われていたわけですが、なんだかんだ言って政治的に絶妙なタイミングでしたね。ノーベル賞は選考過程が今ひとつよく分からないのだが、これはどう考えてもあげる側が狙ってやったことでしょう。

今や誰も覚えていないが(当人もあまり覚えていない)、私は学部のころは国際経済学のゼミにいて、そういう勉強をしていたのだった。だからクルーグマンの初歩向けの教科書も読みましたよ。私がきちんと頭からしっぽまで読んだ唯一の経済学の教科書かも知れない。

クルーグマンはまともな経済学者でかつ文章がおもしろいという珍しい人だが、とりあえず読み物で一冊というならThe Age of Diminished Expectations: U.s. Economic Policy in the 1990s(Paul R. Krugman)でしょうなあ。この人は文章に独特の味とユーモアがあるので、できれば原文で読んだ方がよいと思う(山形浩生さんの訳もたいしたものなのだが)。もう少し学問寄りでかまわない(ただし本当にゴリゴリの専門書はイヤ)という向きには、私の読んだInternational Economics: Theory and Policy(Paul R. Krugman/Maurice Obstfeld)がちょうど良いんじゃないか。大部だが異例なほど読みやすいです(あと、割と頻繁に新版が出るので古臭くない)。訳は大昔かの竹中平蔵さんがやったみたいですが、そちらは読んだことないので分かりません。

あと、クルーグマンがニューヨーク・タイムズに週二回(月金)書いているコラムと、ブログ(The Conscience of a Liberal)は必見。何度も言うが、まず読み物として抜群におもしろいです。実のところお恥ずかしいことについ最近までクルーグマンがブログを書いていることを知らなかったのだが(もちろんコラムは知っていた)、たまたま金融がこういう状況ということもあるのか、一日数回というものすごい頻度で更新してるのね。どう考えても私の20倍くらいは忙しいに違いないクルーグマンですらこれくらいアウトプットを出しているんだから、私も無精せずに思うところをちゃんと書かなあかんなあというのが、最近割に定期的に記事を書いている理由の一つだったりもします。

_ [SFJM] Diggのゆくえ

ということで、残念ながらクルーグマンには及びもつかない今週の私のコラムはDiggの話です。読んでね。