2012-01-02 [長年日記]
_ [Jazz] Brothers-4 / Sonny Stitt and Don Patterson
ビッグ4とかグレート4とか大きく出ないであくまでブラザーズ4というのが慎ましいが、ようするにスティットが擁した60年代不動のレギュラー・トリオ(パターソンがオルガン、ビリー・ジェームズがドラムス)にギターのグラント・グリーンがゲスト参加、なので普段と違い4人でやっていますという企画。
スティットとパターソンは基本的にこれでお別れなので、ある意味一時代を締めくくるというマイルストーン的作品でもあるのだが、そういうしゃちこばったところは微塵もなく、いつも通りの演奏が寸分違わぬルーチンで延々と展開される。じゃあ退屈かというとそういうわけでもなく、いつも通り楽しい。当たり前のことを当たり前にやるというのは言うほど簡単ではないのである。しかもスティットらの場合、「当たり前」のレベルがそもそもべらぼうに高いのだった。レパートリーもまあ、あんまり代わり映えはしないのだが、中ではAlexander's Ragtime Bandのような古い曲がむしろ新鮮に響いて興味深い。
それにしても、ここでのビリー・ジェームズとか、ジャック・マクダフのグループを長らく支えたジョー・デュークスとか、素晴らしいドラマーたちだったと思うのだが、大して名を揚げることなく消えてしまいましたねえ。確かにイドリース・ムハマッドとか、バーナード・パーディとかほどの強烈な個性はなかったけれど…。
_ [Music] Live365のインターネット・ラジオ局を復活させてみた
むかしむかし、あるところに、というサービスがあった。というか今でもあるんだが、音楽を流しまくれるネット・ラジオを誰でも簡単に開設できるという触れ込みで、日本でもそれなりに話題になったものである。まあ、手が後ろに回る覚悟さえすればどのみち誰でも出来たわけだが、金を払う代わりに、Live365が著作権や隣接権の処理を適当にやってくれるので、それなりに合法的に出来るというのがミソだったわけだ。もちろん私なども飛びついたくちだが、当時はいろいろ他にも面倒なことがあって、それっきりになっていた。それが3年くらい前。
で、今日になってカードの支払いなどいろいろ見直していたところ、使っていなかったのに数年にわたりLive365へ金を払い続けていたことに気づいて愕然としたのである。愕然としたついでに、手元にあったMP3をがんがんアップロードしてみたので、この日記で取り上げるような、私の好きな(しかし世間的にはまるで見向きもされない)音楽がジャズを中心に7時間くらいシャッフルされて延々と流れるというネット・ラジオが出来ました。いつの間にかウィジェットも用意されていて、この日記の右側にあるサイドバーに設置してみたので、そこから聞いてみてください(個別の日のページではなく、日記のトップページを見ないとウィジェットは表示されない)。プレーヤのページを見ると、他にもWindows用のクライアントやネットラジオ対応ハードウェア各種(含Kindle Fire)に加え、AndroidやiPhone用のアプリもあるようだが、私は試しようがない。たまに広告のジングルが入るが、有料のVIP会員になると広告フリーで聞けるようだ。まあ、英語が分からない人であれば、英語の広告も海外のFMみたいで、むしろ雰囲気作りに一役買うくらいかもしれない。Amazon.comで買い物ができる人であれば、ワンクリックでかかっている曲のMP3やら収録されたCDやらを買うことも出来る。
しかし、3年前と比べて、圧倒的に簡単になったという感がひとしおである。Live365そのものにもいろいろ改良が加わったということもあるんだが、そもそもコンピュータやネットワークの性能が上がって、余計なストレスがだいぶ減ったのですね。Live365はちょっと登場が早すぎたのかもしれない。