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2008-12-02 [長年日記]

_ [Shogi] 影の将棋順位戦

政治だと影の内閣だの次の内閣だのというのがあるが、将棋でそういうのをやったらおもしろいかなと思った。現在の順位戦の仕組みというのは、どう見ても上位者に有利で下位に不利なように出来ている。ようするに、若手は相当とんでもない好成績を何年も出し続けないと名人位を争うA級まで上がれないが、逆に現在上位の年寄りは相当ひどい成績を続けてもなかなか今のクラスから落ちることはない。長年の実績を加味するということでやむを得ないところもあるが、一応名目としては名人位こそその年の棋界最強を示す由緒あるタイトルということになっているんだから、昇降級の人数を増やすとか、もう少し工夫の余地はあると思うのだが。

とはいえ、いざチェス風にやるとなると自分でイロレーティングから出さなきゃならんのかと思って憂鬱だったのだが、すでにレーティングを出している人はいたので、実は何もやることがなかった。ただ整理しただけである。2008年11月現在、争われていたかもしれないもう一つの順位戦ランキングは以下の通り。

名人

羽生善治。まあ、これは順当ですか。というか確かに羽生すごいね。下駄履かせなくてもガチで最強ということだから。

A級(定員10)

佐藤康光、木村一基、久保利明、阿久津主税、深浦康市、鈴木大介、郷田真隆、丸山忠久、渡辺明、森内俊之という順。これが現在棋界最強の10人ですと言っても、たぶん誰からも文句が来ない人選ではないか(もちろんタイトル保持者は全員入っている)。とはいえ、実際に現在A級なのが佐藤、木村、深浦、鈴木、郷田、丸山、森内と7人もいて、案外現行の順位戦制度もA級に関しては実力を反映しているというか、本当に強い人たちがA級にいるのですね。久保と渡辺はB1、阿久津はB2だが、元A級で今年も戻りそうな久保はともかく、渡辺と阿久津は順位戦ではやや苦戦していると言えそうだ。

B級1組(定員13)

三浦弘行、松尾歩、橋本崇載、谷川浩司、宮田敦史、山崎隆之、阿部隆、高橋道雄、村山慈明、佐藤天彦、飯島栄治、行方尚史、佐々木慎という順。実際に現在B1なのは山崎、阿部、高橋、行方の4人だけ。三浦と谷川はA級、松尾と橋本はB2、宮田、村山、飯島、佐々木はC1、佐藤天に至っては最下級のC2だ。どうもB1は実力とクラスがあまり対応していないところのようである。個人的には、現実のB1よりもレーティングで出した影のB1のほうが、実力を素直に反映しているような気がするのだが。

B級2組(定員不定)

定員は決まっていないので何とも言えないが、現在は24人。藤井猛、広瀬章人、先崎学、高崎一生、糸谷哲郎、堀口一史座、佐藤和俊、片上大輔、島朗、田村康介、森下卓、佐藤紳哉、(中原誠)、井上慶太、西尾明、横山泰明、豊川孝弘、中川大輔、畠山鎮、杉本昌隆、窪田義行、北浜健介、中座真、屋敷伸之、安用寺孝功という順。実際に現在B2なのは先崎、島、中川、豊川の4人だけ。実際にはA級なのにレーティングだとB1どころかいきなりB2に落っこちてしまう藤井が何というか気の毒である。あとは、中座(実際はC2)の実力に比した不遇が目につく。勝負弱いんだろうか。佐藤和俊という人は申し訳ないことに全く聞いたことがなかったのだが、結構強いんですね。現在フリークラスの中原十六世名人は、仮に今も順位戦を戦っているとすればこのクラスに入る。相変わらずなかなか強いようだ。いずれにせよ、B2も実力とクラスがあまり対応していないようである。

C級は人数が多すぎるのでもう全員の名前は挙げないが、C1は現在31人ということで、トップは豊島将之、ビリは近藤正和ということになる。

さて、仮に実際のクラスとレーティングによるクラスが2クラス以上離れている(AとB2など)のを実力よりも相当過大ないし過小に評価されているということにすると、そうした人は以下のようになる。カッコ内は(実際のクラス-レーティングにより想定されるクラス)。

    過大評価

  • 藤井(A-B2)

  • 神谷、桐山、野月、泉、畠山成、田中寅、土佐、森、青野、浦野、内藤、加藤(B2-C2)

    過小評価

  • 阿久津(B2-A)

  • 宮田、村山、飯島、佐々木(C1-B1)

  • 佐藤天(C2-B1)

  • 高崎、糸谷、佐藤和、田村、佐藤紳、西尾、横山、中座(C2-B2)

こうしてみると、B2の相当数が過大評価で、実はC2くらいの実力しか無いということが分かる。B2からはなかなか落ちないということなのだろうね。ベテランが多いだけに順位戦ならではの戦い方を熟知しているということなのかもしれないが、順位戦しか勝てないというのは、プロとしてそれはそれでどうなんだという気もする。あと藤井もう少ししっかりしろ。

それなりに名のある若手は、事実B1くらいの力はあるようだ。にも関わらず、結局C級でくすぶっているのが多いというのは、やはり仕組みの問題だと思う。クラスの人数に比して昇級者の枠が少なすぎるのである。

また、フリークラスでもB2やC1に匹敵する力がある人もいれば(レーティングでは瀬川はC1に入る)、奨励会員はもとよりアマチュアのトップクラスよりも弱いプロがいるというのも問題だ。こちらももう少しなんとかしないと、結局将棋連盟は棋士の互助会じゃんということになって、今後の公益法人化にも差し支えるのではないかなあ。

_ [SFJM] Netbookのゆくえ

書きました。ゆくえシリーズ、というわけでもないんですが、こういうのはタイトル考えるのが一番めんどくさいですね。