2007-08-23 [長年日記]
_ [Music] Everything We Love / Doug Raney & Thorgeir Stubo
昔々あるところに、Prevueという正体不明のCD再発レーベルがあった。10年くらい前までは活動していたようだが、例によってと言うべきか、その後あっさり潰れてしまったらしい(もし違ったらごめんなさい)。
私が知る限りでは、MuseとかXanaduに加えて西海岸や欧州の零細レーベルの諸作をせっせとリイシューしていたのだが、中にはバリー・ハリスのBarry Harris Plays Tadd Dameron(Barry Harris)とか、セシル・ペイン(はどうでもよくて聞き所はデューク・ジョーダン)のBrooklyn Brothers(Cecil Payne)、エルモ・ホープの西海岸トリオもの集成The Beacon and Celebrity Trio Recordings(Elmo Hope)などといった渋い名作の数々が含まれていた。一部に関してはかつて日本で別途CD再発されたこともあるが、どのみち今となっては入手困難なものが多く、一時は中古でPrevueものを見つけるたびに一所懸命買い集めていたものである。
このアルバムもそうしたPrevue再発ものの一枚で、後藤雅洋さんもジャズ選曲指南で取り上げていた。ジミーの息子のダグ・レイニーにジミーの弟子のソルゲイ・スチュベ(?)という2ギターに、ヨーロッパ人のベース(日本でもおなじみイェスパー・ルンゴー)とドラムス(オレ・ヤコブ・ハンセン、よく知らないけどノルウェーでは有名なのかも)を加えたカルテット編成で、スタンダードを中心にじっくりじっくり地味にジミーに弾いている。いかにも日本人受けしそうです。駄耳なのでそもそもレイニーとスチュベの音の区別が付かないのだが、いずれにせよ両者のフレージングはよく似ているのでしょうがない。なぜかリー・コニッツがライナーを書いているのも不思議と言えば不思議。
まあ、ぬるいと言えばぬるいのだが(アップテンポの曲もそれなりにあるのだけれど)、元々2ギターという組み合わせが好きなこともあって、最近は夜(どちらかと言うと朝)寝る前によく聞いている。だからと言って安眠できる状況ではないのですが…。