2006-12-10 [長年日記]
_ [Music] チャーリー・パーカーのクリスマス
クリスマス・アルバムの類は毎年佃煮にするほど出ていて、おそらく今年もいっぱい出たんでしょう。個人的にも、最後に出てくるフィル・スペクターの陰々滅々とした語りが素敵な定番A Christmas Gift for You from Phil Spector(Phil Spector)とか、ニューオリンズ直送のChristmas Gumbo(Various Artists)とか、コジャレ渋谷系御用達のカフェ・アプレミディ・クリスマス(オムニバス/アル・ハート/ビーチ・ボーイズ/チェット・ベイカー/カウント・ベイシー/カート・エリング/チャールズ・ブラウン/ボブ・ドロー/NRBQ/チップマンクス/ナンシー・ウィルソン)とか、好きなアルバムがいくつもあります。
その中で私が素直に好きなのは、チャーリー・パーカーのクリスマス・アルバムだ。そんなものはねえだろ、という人もいるだろうが、実はあるのですね。
といっても、「クリスマス・アルバム」というタイトルがついているわけではない。実際のタイトルはコンプリート・ロイヤル・ルースト・ライブ・レコーディングス・オン・サヴォイ・イヤーズ VOL.2(チャーリー・パーカー/ケニー・ドーハム/アル・ヘイグ/トミー・ポッター/ジョー・ハリス/マックス・ローチ/エド・ショグネシー/コンテ・カンドリ/ベニー・グリーン/フリップ・フィリップス/チャーリー・ベンチュラ)だ。1948年12月25日(おそらくは24日の深夜)、パーカーが長期出演していたニューヨークのクラブ、「ロイヤル・ルースト」からの放送録音である。なにせ60年近く前のラジオ放送のエアチェックなので音質は今ふたつくらいだが、それでもこの手のものにしてはかなりましな方だ。
中身はと言えば、この日の番組をそのまま収録しているので、名物司会者シンフォニー・シッド・トーリンの例によっていい加減なMCもたっぷり入っている。パーカーはパーカーで『ホワイト・クリスマス』を演ったり、ソロに『ジングルベル』を引用してみたり、やりたい放題だ。ちなみにこのCDの残りは1949年の大晦日〜元日のスペシャル放送で、そちらも大宴会。