2003-11-22
_ [Music] Schizopherenia / Wayne Shorter
スキツォフリーニア、と読むんでしょうか。「Schizo-」というのは「分裂」を意味する接頭詞で、ようするに精神「分裂」病(最近の用語だと統合失調症だけど)のことだが、そういうややこしいタイトルがついた Shorter の1967年 Blue Note 作品。ジャケでもちゃんと Shorter が「分裂」しています。
一時期はまってほぼ毎日聞いていた。いまだに Shorter というとこいつを持ち出して聞くことが多い(もちろん今も聞いている)。まず冒頭を飾るジャズ・ロック風の Tom Thumb がたまらん。8ビートという当時流行のフォーマットを借りてそれなりに熱っぽい演奏を繰り広げつつ、独特の醒めた第三者的視線を感じるあたりが いかにも Shorter という感じだ。流行ものに手を出しても、そこらへんの奴がやるのとはやはりひと味違う。あとの曲も素晴らしいものばかりで、三管編成を生かした Shorter の作曲とアレンジの才が冴え渡って聞きごたえ十分。サイドメン(特に Herbie Hancock)も好調だ。LP にしてもちょっと短い(36分強)なのが不満と言えば不満だが、まあつまらないものをだらだらやられるよりはましでしょう。
ところで、この人は他人のところに出かけていって場をさらってしまうのが天才的にうまくて、Art Blakey や Miles Davis のバンドのように自分が音楽監督をやっていたところもさることながら、Weather Report のような「ソロイスト」扱いや Joni Mitchell との共演のような単なる歌伴でも、Shorter がちょっと吹くだけで全体の色合いが微妙に変わってしまう。それでいて変に浮き上がらないし、枠組自体は全く崩さないというあたりがこの人の不思議なところだ。いかにも「分裂」的というか。
ちなみに一応CD化されているのだが、普通は限定盤の Connoisseur シリーズ(ちなみにカノッサ、と読みます)なのにまだ Amazon.co.jp で手に入るらしい。よほど売れてないんか? もちろん絶対のおすすめである。ちなみに、いっぺん聞いただけでは良さが分からないかもしれないので、つまんねーと思っても何度か聞いてみることを勧める。
Before...
_ 多分 Shaolin [聴きに来て下さいまし(笑)]
_ さとぅ [紙ジャコ出たら買ってみるよ]
_ さとぅ [shaolinさん、どなたか存じませんが、ありがとうございます♪]