2004-07-14
_ [Reading] ヨーロッパ社会思想史 / 山脇直司
別の本を探して本棚をごそごそやっていたら、この本を見付けた。大昔、駒場にいたころに山脇先生の授業を受けたことがあって、これが絶望的につまらなかったのだが、今になってそのときの教科書であるこれを読み返してみると(なにせ200ページ弱しかないのですぐ読めてしまう)、なかなかよくできた本であることに気づいた。まあ、結局授業が終わった後からが本当の勉強ということなんでしょう。
内容的には、西洋で一時代を画した思想のさわりを時代で区切って簡潔にまとめたというだけの入門書だが、昔のえらい学者の思想をただ順番に陳列するのではなく(授業はそういうのだったと記憶しているが)、連中の考えが現在の私たちにとってどういう意味を持つのか、という問題意識で貫かれているのが良いと思う。とりあえず思想っぽい話で議論したいときの土台作りには最適か。
2007-07-14
_ [Reading] 最新戦法の話 / 勝又清和
タイトルで若干損をしている本なのではないかと思う。といっても実際将棋の最新戦法の話が書いてあって、きちんとした定跡書、専門書なのだから看板に偽りありというわけではない。ただ、まえがきにも書いてあるようにこの本の本質は「(棋譜)鑑賞の手引き書のようなもの」というところにあって、その点で他に類書のないユニークな存在なのだ。勝又という棋士についてはあまりよく知らなかったが、東海大のそれも数学科を出てるのね。そういうバックグラウンドのせいか、語り口は平易ながら中身はロジカル、戦法の創始者たちへのインタビューや巧みなレトリックも交えて、あくまで読みやすいのに論理に飛躍がない。とにかくスラスラ読めて、予備知識がなくともああこうこうこういう経緯でこういうのが出てきたのね、とスコンと腑に落ちる。はっきり言って棋譜を追う必要すらない。
将棋のルールは知っているし、戦法に関しても(昔のなら)一通り知識はあるけれども、一手損ナントカだのナントカシステムだのゴキゲンナントカだの最近の棋戦の観戦記を読んでも何がなにやらさっぱり分からない私のような人間にはまさにこういう本が必要だ。将棋の駒の動かし方が分かる人全員におすすめ。羽生がプロからなんであんなに畏怖されているのかもよく分かります。
_ [GNU] The Issues on Wiki Licensing@Taipei, 2007/08/03
本人よりもなぜかyomoyomoさんのほうが早く告知しているのだが、それはともかく8月最初の週に台湾・台北で開催されるWikimania 2007に参加して一席ぶつことにした。お題はこちら。Wikipediaとほとんど接点がない男が語るWikipediaのライセンシングという、(話者にとって)スリリングなテーマである。
というか当人的には台湾豪遊物見遊山ピータン粥に相当なウェイトがかかっておりますので、能天気というか話す内容はまだ全然考えていないのだが、スケジュール見ると最初の話と違ってどうも正味30分も無さそうなので適当にお茶を濁す可能性が高いかも。日本人ウィキペディアンが何人行くのかしらないが、私のセッションに出るよりは他の人のを聞きに行ったほうがいい(笑)。
ちなみに依然改訂中のFDLv2のリリーススケジュールですが、こちらはまるっきり立っておりません。AGPLv3のほうが先。ただ水面下ではいろいろ動いております。
2008-07-14
_ mhatta [ツッコミのテスト。]
_ 山脇直司 [うーん。大昔の講義でも古典思想の現代性は語ったつもりだったけど、伝わらなかったかもーー。講義も段々慣れてきたので今の..]
_ mhatta [山脇先生、「公共哲学とは何か」をざっと拝見しました。感情的なレベルでは、先生の志は佳しとしたいのですが、内容的には、..]
_ 山脇直司 [新書は、どこまでも一般向けの本なので、この場で論争したくはありません。それに公共哲学は社会的コミットメントなしに論じ..]