2004-04-03
_ [Music] 戦争に反対する唯一の手段は。 / V.A.
ほとんど惰性で(しかも今ごろ)買ったのだが、これはやばかった。ともかくお前ら5曲目の「新しい歌」を聞きなさい。デューク・エイセスがピチカート・ファイヴの歌をやっていて、もうその時点で何か致命的に間違っているような気がするわけだが、あにはからんや、これが筆舌に尽くしがたく素晴らしいのである。私はあまりのことに椅子から落ちました。
とmixiの日記で喚いていたら咳さんも買って倒れたらしい。
しかしそれにしても日本のCDは高いな。3000円は辛い。ちなみにこの曲以外も全体に出来の良いカバーが多いのだが、中でも南佳孝の「テーブルにひとびんのワイン」やキリンジの「陽のあたる大通り」が個人的には好みだ。特に後者。
2007-04-03
_ [Music] Steppin' Up / Hank Crawford & Jimmy McGriff
雨降ってるし、寒いし、やることは終わらないし、とリアルでブルーな早朝なんですけれども、そういうときこそソウルフルなジャズで体を温めるのが良いわけです。この時間帯は体温低いしよ。
アルト・サックスの名人ハンク・クロフォードは80年代のマイルストーン・レーベルに結構な量の録音を残しているが、図抜けて優れたこの一枚、というものはない代わり(だからあまり話題にならない)、どれをとってもあまり大外れしない。プロデュースもこの手の音楽に造詣の深いボブ・ポーターなので、単なるセッション一発録りという風情のアルバムでも何かしらひとひねり効いている。
これなんかはオルガンのジミー・マグリフと組んだものだが、サイドメンの質(ギターの隠れ名人ジミー・ポンダー入り)、選曲のバラエティ、そして豪華ゲスト約1名とあくまでツボを外さない作りで、変わり映えこそしませんがお代の分だけはちゃんと楽しんで頂きますという姿勢がかいま見えて頼もしい限りだ。
で、豪華ゲストとは誰かということになるのだが、まだ大した年でもないのに去年死んでしまったビリー・プレストンなのですね。4曲に参加してピアノを弾いている(オルガンや歌はなし)。この人はどんなセッティングでも違和感なくはまってしまう適応力の高さに加え、派手なことをやってもどこか上品な雰囲気を残していてそこが好きなのだが、このセッションでもそうした彼の美質が遺憾なく発揮されている。ピアノとオルガンのような複音が出せる楽器が共演すると音が重なっていろいろ厄介な問題が発生するのだが、音色とタッチの違いを際立たせることでうまく回避しているのもさすが。たぶんこれはプレストンのセンスの良さのおかげなのだろう。さすが5人目のビートルズ。