My Human Gets Me Blues

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2004-01-25

_ [Life] トリックスター待望

宮台さんの返答のようなものが出た。前の記事からこれを読み取れというのは無理だと思うが(笑)、今回のはとても良く理解できる。特に反論もない。

まず第一にカッコよくて売れなければならない。マイナーでダサくて売れてないのはどんなに中身があって正しくても駄目だ。それを前提にしないと現在ではお話にならない。少なくとも何かを主張したいのであれば。

最近の菊地成孔さんはジャズというフィールドでこれを実にうまくやっている。元はといえばマイルズもそうだった。コルトレーンですら存命中は良く売れていた。オープンソースは、どうかなあ。今があるのは半分MSのおかげだな。例の「ハッカー倫理」が一つの鍵か。

しかし、自分をカッコよく見せるのは本当に難しい。ほとんど不可能に近いようにも思う。外見の美醜や社会的なポジションとそれほど関係ないあたりが辛いところだ。


2012-01-25

_ [Jazz] Chelsea Bridge / Al Haig

チェルシー・ブリッジ(紙)(アル・ヘイグ/ジャミール・ナッサー/ビリー・ヒギンズ)

アル・ヘイグといえばインビテーションと相場は決まっているが、他にも優れたアルバムはいくつもある。これは「インビテーション」の翌年に録音されたトリオもので、たぶんヘイグの作品の中では現在CDでは最も手に入りにくいものではないかと思う。ベースがジャミル・ナッサー、ドラムスはビリー・ヒギンズというなかなかの陣容だが、正直ヘイグはインタープレイが聞き所というタイプの演奏家ではないので、サイドメンは下手でなければ誰でも良いというところはある。もちろんヘイグのピアノは相変わらず快調だ。

ところで、ディスクユニオンの山本隆氏がこのアルバムの「マオコ」が素晴らしいと激賞しているのだが、実のところこれはウェイン・ショーターのMiyakoというジャズ・ワルツである。なぜミヤコがマオコになったのかは謎だが(たぶんヘイグ自身ちゃんと曲名を覚えていなかったのだろう)、ライナーノーツを書いた佐藤秀樹氏も気づいていないようなのが不思議。ショーター自身の演奏は1967年の名作Schizophreniaに収録されている。ヘイグはショーターの曲ではFootprintsもよく弾いていたが、ショーター作品特有のミステリアスでどこか得体の知れないところがヘイグの個性と相性抜群だった。ヘイグ・プレイズ・ショーターみたいな企画があれば、ものすごい傑作が生まれたかもしれない。