2006-12-11
_ [Reading] ジャズ "ライヴ"名盤入門! / 中山康樹
昨日は用事で新宿に行ったのだが、帰りは例によってタワレコに寄った。レジで並んでいる時間というのはどうも手持ちぶさたなもので、ついレジの横の棚にある本や雑誌を手に取ってしまう。手に取ってしまうと買いたくなる。そんなわけで、レジ横に置いてあったこの新刊を買ってしまった。待ち行列がそこそこ出来る場合、レジ横商売というのは結構大きいような気がする。
それはともかく、この本はジャズのライヴ盤を50枚挙げ、その聞きどころを解説したものである。ライヴ盤のみに絞った紹介本というのは今まで無かったように思うので、まずは目の付けどころが良い。それにライヴ盤というのは実際に観客を前にした演奏なので、粗っぽい代わりに熱気があり、楽しくて分かりやすい演奏であることが多い。その意味でも、あまりジャズに馴染が無い人にはとりあえずライヴ盤を奨めておく、というのは適切な戦略だろう。
中身はと言えば、選ばれた50枚は、定番から定番ならざるものまでそれなりに幅広く、しかしいちいち筋が通っている。アルファベット順ということで、いきなりアルバート・アイラーから始まるあたりもインパクトがある。個人的には、先日ここでも取り上げたハービー・マンのライヴ・アット・ウィスキー・ア・ゴー・ゴーが入っているのがうれしい。私が聞いたことがないものも数枚あるが、聞いたことがあるものに関しては、有名無名を問わず私も個人的に出来を保証できる名盤ぞろいだと思う。
あと、中山ぶしというか、どのページにもひとつかふたつはうまいフレーズがあるのですね。そうなんだよなあ、でもなかなかこうは書けんよなあ、と唸るような。具体的には実物を読んでください。