2006-12-08
_ [Music] Harlem River Drive
ジャケだけ見ればどう考えてもサン・ラーですが、これはピアニスト、エディ・パルミエリが1971年に発表したアルバム。彼が70年代始めのごくわずかな期間率いていたグループ、「ハーレム・リヴァー・ドライヴ」が残した、唯一のスタジオ録音らしい。オリジナルはものすごくレアなようですが、今年CDになったようですね(限定版ということなのか、少なくともAmazon.co.jpではもう新品は手に入らないようだが)。おそらく世間的には、ラテン・ジャズないしサルサに分類されるのでありましょう。
と言ってもあいにくラテンやサルサはさっぱり分からないので(白状すると本当にサン・ラーの作品と間違えて買った。だってこのCD、表にはパーソネルはおろかリーダー名すら書いてないんだもの)、今まで書いたことが本当に正しいのかあまり自信が無いのですが、パルミエリが何をやりたかったのかはよく分かる。ようするに、ディジー・ガレスピーの逆をやったわけですね。ジャズにラテンを持ち込むのではなく、ラテンにジャズやソウルやファンクといったブラック・ミュージックの要素をどっさり盛りこむと。なので、ラテンに馴染が無くともジャズやソウルやファンクが好きな人ならば抵抗無く楽しめると思います。
ぐわーっと激しく盛り上がるところはあまり無いのだが、中程度の盛り上がりが延々と続くという展開は、私のようなタイプの聞き手には、こう、たまらんものがあるわけですよ。えらく太いバリトンを吹いているのが実はジャズ屋のロニー・キューバで、ちょこちょこ入れるリフがとてもかっこいい。トロンボーンはブルース・ファウラーだ。というか、改めてライナーをちゃんと読むとベースを弾いているのはジェラルド(ジェリー)・ジェモットだし、ドラムスはバーナード・プリティ・パーディだし、おいおいギターはコーネル・デュプリーじゃんかよ、ということで、なんか異様にメンツが豪華なのだった。すごいなあ。70年代だなあ。
と、ハマッてしまったので例によってうんざりするほどリピートでかけております。また頭がマヒしてきました。