2015|08|
2006-11-10
_ [Mingus] Three Or Four Shades Of Blues / Charles Mingus
1977年3月の録音で、おそらくミンガスが自分でベースをまともに弾けた最後の作品。翌年も作品を残してはいるが、1977年秋に筋萎縮性側索硬化症と診断された後は急速に衰えたため、アレンジも指揮も他人に任せて自らは車椅子からセッションの様子を見守るだけという状態だったようである。ゆえに、この作品が事実上ミンガスの遺作と言ってもよいだろう。
レパートリは2曲が旧作、残りもブルーズともう新曲を書けるような体調ではなかったことを偲ばせるが(しかもベースのサブとしてジョージ・ムラーツが呼ばれている)、そこはそれ、ミンガスらしいひねりはちゃんと用意されている。フィリップ・カテリーン、ラリー・コリエル、そしてジョン・スコフィールドと当時注目を浴びていたエレキギターの若手を3人も起用しているのだ。
そこでミンガス・ミュージックとギターの相性という話になるのだが、これがなかなか良い。どちらも騒々しいから、というのが一番身も蓋もない説明なのかもしれないが、Better Git Hit In Your Soulなどコリエルがハマリすぎ。大傑作とは言えないが、ミンガスの音楽人生を締めくくるエピローグとしてはなかなかのものだと思う。