2015|08|
2006-07-02
_ [Music] In Carterian Fashion / James Carter
このままだと、ジェームズ・カーターの最高傑作は結局デビュー直後にDIWに残した二作(JC on the Set(James Carter)とJurassic Classics(James Carter))でしたね、おしまい。ということになってしまいそうである。本当にもったいない。80年代のチコ・フリーマンから始まって、カーターと言い、ゲイリー・トーマスといい、キャリアの初期にあれだけ素晴らしい作品をものに出来た若手サックス奏者たちが、90年代中盤以降急に失速してしまったのはどうしてなんだろう。不思議で仕方がない。
このアルバムはそんな「DIW後」のカーターの作品の中では割と気に入っているほうで、今日ふと聞き直してみたら記憶よりもだいぶ良い出来だったので紹介する気になった。全編聞き通すと若干単調な感じが拭えなくもないのだが、ニューオリンズの盲目の名手、ヘンリー・バトラーを含むサイドも手堅く固めていて、なによりサックスの音色とオルガンとの相性が抜群に良いのがうれしい。ジョシュア・レッドマンもここのところオルガンを加えたトリオで活動しているが、さすがにこの手の編成ではジョシュアよりも堂に入った吹きっぷりだと思う。もうあと一ひねりできれば大傑作になったかもしれないのにね。