2008-02-09
_ [Music] サラ・ヴォーンのブラジルもの
k3c氏とTwitterでそういう話になったので取り上げる気になった。このクソ寒いのに熱帯音楽というのも妙な感じですが。
サラ・ヴォーンにブラジル音楽を歌わせる、というアイデアを最初に思いついたのが誰かは知らないが、実にうまい企画だと思う。言うまでもなく、サラはとても歌が巧い。ただ、声質やうたい回しがカーメン・マクレエあたりに比べても重厚でコッテリしているので、暗いバラードでも歌われた日には重くなりすぎて気が滅入る。そこで、バックに軽快な、というか、時として軽くなりすぎる傾向すらあるブラジル音楽を持ってくるというのは理にかなっているわけだ。
サラはパブロに「ブラジルもの」を2枚残しているが、両方とも良い出来で普段から良く聞いている。どちらも単にジャズ屋がレパートリーの一つとしてボサノバっぽく演奏してみましたという程度ではなく、わざわざリオまで出向いて現地のミュージシャンにプロデュースもアレンジも演奏も委ねたもので、サラの歌にもいつも以上に気合が乗っているようだ。どちらかと言えば個人的には2作目のCopacabanaのほうを聞く頻度が高いが(地味だから)、選曲の良さ、アレンジの華やかさという意味ではI Love Brazil!も捨てがたい。特にこちらに収められたVera Cruzの迫力はものすごいものがある。ナシメント本人がギターを弾いて歌っているし。他にもジョビン曲ではジョビン本人がピアノを弾いていたり、ドリイ・カイミの曲ではやはり本人が歌っていたり、なんというか贅沢な作りです。
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