2004-04-14 [長年日記]
_ [Music] (国内盤の出ている)洋盤の輸入禁止に反対する
とりあえず山形さんの記事とこのサイトだけは見ておいたほうが良い。吉井誠一郎さんの記事もよい。洋楽好きにとって、これは相当まずい事態だ。最近まで浜崎あゆみの逆輸入なんぞ禁止されても知ったこっちゃねえやと思っていた不明を恥じる。
私自身がまとまった話を書く時間はしばらくないので残念だが、ともかく一番私の気に障るのは、この手の施策が消費者の利益を損ねるからでも音楽業界が甘ったれているからでもなく(もちろんこの二つもけしからん)、これが「国益を損ねる」からである。
以下The Trembling of a Leafより引用(強調は私):
なお、文化審議会著作権分科会に於いて生野秀年・日本レコード協会(RIAJ)事務局長が「5大メジャー(BMG・EMI・Sony Music・Universal・Warner)の担当者から『今まで通りで禁止するつもりは無い』と聞いている」と言う趣旨の発言を(「担当者」がレコード会社の経営にどの程度の責任を有する人物で、なおかつその意志は文書として公式に残されているものなのかと言う点を明らかにすること無く)しているが、その意志が嘘偽りの無いものならば審議会のような一般消費者の目に届きにくい場所で関係者に対して「内々に」告げるのではなく「直接の被害を受けることに危機感を抱いている一般消費者に対して堂々と」表明すべきではないのか。こうした背景や、1991年改正に際しての「貸与に係る円満な利用秩序の維持形成のため、レコードの貸与に関する内外の関係者の話し合いの促進」を謳った附帯決議を、米国通商代表部(USTR)が大使館を通じて「今回、成立した改正法は内外を問わず1年間レンタルを禁止出来る権利と言うことでよろしいか?」と、うむを言わさず日本政府の首を縦に振らせたことによっていとも簡単に踏みにじった(そして、日本の洋楽市場は「市場崩壊」に等しい壊滅的状態に陥った)経緯を考えると、さる与党議員が言っていたと伝えられる「洋盤に波及しないよう求める」附帯決議など行ったところであっさり踏みにじられるものと疑ってかかるのは当然であろう。
元より、今国会で批准された日米租税条約により前述5大メジャーの内、少なくとも3社の日本現地法人は日本に於けるライセンス料や配当への課税が全て免除される。日本で値上げして「権利者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる」状況を恣意的に創出して得た超過利益は日本の税収増には全く繋がらず、全て米国へ吸い上げられるのである。このような状況を恣意的に創出する口実を特定のレコード会社に与える法案を「国益」と称して推進するのが「欺瞞」との謗りを免れ得ないのは、もはや明白である。
こうした話をこっそり進める連中を売国奴といわずして何をかいわんや。というか、なんでこうもまあ救いがたくお人好しなんだろう。